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8月も終わりに近づき、ますます学祭実行委員会の仕事は忙しくなっていく。
今度の仕事は、印刷所から上がってきたポスターやフライヤーを置かせてくれる店を探して回ること。
これも玉森先輩と私の担当なんだけど、先輩はいつものようにさぼりがち。
だから1人で回ったり、たまに宮田先輩が付き合ってくれたり。
この日も宮田先輩と2人で、大学の最寄り駅付近のショップを回っていた。
「先輩、最近できた店があるんですよ。
おしゃれそうなBARなんだけど、お願いしに行ってみませんか?」
そう提案したら、
「いいね!行ってみる?」
宮田先輩も乗ってくれて、その店のある裏路地へ向かった。
たまに前を通るんだけど、すごい雰囲気のあるBARで。
残念ながら未成年だから入れないけど、この機会に是非、中を覗いてみたかったんだ。
店の前まで着いて、
「5時半か···、まだ開いてないかもね。」
宮田先輩は、時計を見ながらそう言うけど、
気にせず、勢いで入り口のドアを開けてしまった。
「あ、すいません。
まだ準備中なんですけど。」
って、どこかで聞いたことある声。
後から入ってきた宮田先輩が、
「お、玉〜♪」
って…。
え?
カウンターの中にいたのは、何故か玉森先輩だった。
カマーベストに蝶ネクタイで、なんかいつもと違う雰囲気。
「なんだ、宮田とチビかよ。」
だけどやっぱり、いつもの毒舌。
「玉、ここでバイトしてたんだっけ?」
宮田先輩はそのままカウンターに座ってしまう。
「勝手に座んな。
客でもねぇのに。」
とか言いつつ、うれしそうな玉森先輩。
でも私はカウンターに座るのを、躊躇してしまう理由があった。
だって玉森先輩の前には、綺麗な女の人がいて。
その人の前には、玉森先輩が作ったのであろうカクテルが置いてあり。
その女の人は微笑を浮かべながら、玉森先輩と宮田先輩のやり取りを聞いていた。
そんな彼女に気づいた宮田先輩が、
「あれ?開店前なのに、お客さん?」
なんて尋ねてるけど、…空気読んでよ!
この感じ、普通じゃないでしょ。
「ポスターとフライヤー置いてほしいんですけど!」
この空気を打ち破りたくて、いきなりそんなことを切り出してみた。
玉森先輩は、大学とは全く違う大人びた笑顔を見せながら、私からポスターとフライヤーを受け取ってくれた。
そっか…、ここが玉森先輩の本来いる世界なんだ。
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わかめ(プロフ) - さやさん» そうだったんですか!3月27日ですかね。すごい偶然ですねー(*'ω'*) (2016年12月30日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
さや - 主人公の誕生日、本当に私の誕生日と一緒で読んでいてえー!って声に出しちゃいました笑。 (2016年12月28日 11時) (レス) id: d66c22dd39 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - masamiさん» コメントありがとうございます(*'ω'*)そう言っていただけたら、勇気が出ます。また読んでやってくださいねー(*'ω'*) (2016年2月16日 11時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
masami(プロフ) - すっごく面白かったです!最高です! (2016年2月15日 23時) (レス) id: 3e1fab29aa (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - まおさん» 朝から読んでくれてありがとうです(/ω\)私は学生だけど、社会人でもあります。教員免許を取るために、働きながら、今二度目の大学生活なう、なんですwwお恥ずかしい(/ω\) (2015年10月1日 16時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2015年9月13日 18時