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「どこに行くんですか?」

ズカズカと早足で前を歩いていく先輩の後を、必死で小走りでついて行く。

だいたい足の長さが違うんだからさ、気を遣えっちゅーの!

「ホームセンター。」

相変わらず、玉森先輩は不機嫌で。

それでも校門を出るまでの道のりの中、何人かの女の子に声をかけられていた。

その度、

「おー。」

とか、

「じゃあね」

って、適度に笑顔であしらってる風で。








だけど校門を出てすぐに、最高潮に不機嫌な顔して、こちらを振り返ると。

「早く歩け、チビ!」

って、私を睨みつけてきた。

さっきの女の子には、よそいきな笑顔を見せてたくせに。

「ホームセンターって、どこにあるんですか?」

「ここから、電車で10分くらいのところ。」

玉森先輩はそっけなくそう答えると、駅までの道をまた早足で歩き始めた。







最寄り駅まで近づいてきた時、駅前のファストフードの前で先輩はいきなり立ち止まった。

「もう無理。
寄るから。」

そう宣言して、ズカズカと店内へ入って行く。

「チビ、席とっとけ」

偉そうに指示してくるから、私は素直に2階の一番奥の窓際の席をキープしておいた。

すぐにトレイを抱えた先輩がやってきて、向かいの席に威圧感たっぷりにどかっと座る。

私も何か買ってこようと、財布を持って立ち上がると、

「これ、お前の。」

そう言われて、モーニングセットのマフィンとハッシュドポテトと、アイスカフェオレを渡された。

私の好きなヤツだ。

もしかして前にみんなで食べた時のこと、覚えてくれてたのかな?

って、一瞬喜んだけど、

すぐに、玉森先輩と全く同じメニューだってことに気付いた。

ああ、なるほど。

玉森先輩もこのメニューが好き、ってことね。

「いくらでした?」

そう聞いただけなのに、眉間にに皺を寄せてたまた睨まれた。

「いらない。」

…超不機嫌モードじゃん。

「···いただきます。」

一応お礼を言うものの、反応は無し。

しばらく無言で食べ続けてた。

今の玉森先輩は超機嫌が悪いから、下手に話しかけるともっと機嫌が悪くなっちゃうかはもしれないから。





その後、もう1セットを買い足した玉森先輩は、それもあっという間に平らげて、

今度は、まだ食べてる私に悪態をつき始める。

「お前、まだ食べてんの?」

「食べるのが遅いヤツって、仕事できないんだって。」

…言いたい放題じゃん。

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わかめ(プロフ) - さやさん» そうだったんですか!3月27日ですかね。すごい偶然ですねー(*'ω'*) (2016年12月30日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
さや - 主人公の誕生日、本当に私の誕生日と一緒で読んでいてえー!って声に出しちゃいました笑。 (2016年12月28日 11時) (レス) id: d66c22dd39 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - masamiさん» コメントありがとうございます(*'ω'*)そう言っていただけたら、勇気が出ます。また読んでやってくださいねー(*'ω'*) (2016年2月16日 11時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
masami(プロフ) - すっごく面白かったです!最高です! (2016年2月15日 23時) (レス) id: 3e1fab29aa (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - まおさん» 朝から読んでくれてありがとうです(/ω\)私は学生だけど、社会人でもあります。教員免許を取るために、働きながら、今二度目の大学生活なう、なんですwwお恥ずかしい(/ω\) (2015年10月1日 16時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2015年9月13日 18時

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