ストロベリー・オン・ザ・ショートケーキ

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そして7月になり、委員会の仕事も本格的に忙しくなってきた頃。

玉森先輩と顔を合わす機会が増えてきた。

同じ部署の担当だから、毎日のように放課後に委員会の仕事をしてる。

玉森先輩と仲良くなるにつれ、

先輩の本性がわかってきた。

可愛い顔して、ありえないほどドS。

自分が心を許した相手には、けっこうキツイことも平気で言っちゃったり。

宮田先輩とか、言われまくってるもん。





そのうち、私も言われるようになり、

名前じゃなくて、

「そこのチビ！」

とか、呼ばれるようになってしまった。

確かに背は高くないけど。

あんまりじゃない？

…でも、悪い気がしないのはきっと、玉森先輩だからなんだろう。







委員会の部室で、みんなでお弁当を食べていた時のこと。

玉森先輩は、いつも宮田先輩の隣にいて、

「みやた」

「みやた」

って、いつも呼んでる声がよく聞こえてくるから、つい、

「先輩って、宮田先輩のこと好きなんですね。」

なんて言ったら、

「は？！
あいつが俺のこと、勝手に好きなだけだし！」

とか、子供みたいな返事が返ってきた。

だけどそのうち、

「宮田はなんだかんだで、いつも一緒に居るんだよね。
どんなにキツイこと言っても、ニコニコしながら、俺の言うこと聞いてくれるし。」

って、とろけちゃうような笑顔を見せる。

そっか、先輩は自分を愛してくれて、従順な人が好きなんだなー。

女の子にも、そう？







そして他のこともわかった。

玉森先輩の周りには、常に何人かの女の子がいる、ってこと。

誰と付き合ってるんだか、よくわからない。

玉森先輩がどの子のことを好きなのかも、よくわからない。

委員会がどんなに遅くなっても、部室の外で健気に待ってる子がいたり。

夕方、差し入れを持ってきてくれる子がいたり。

玉森先輩は、アウトドアのサークルにも入ってるから、そっちにも女の子がいたり。

ほんと、わけがわからない。

でも、一つだけ共通してるのは、どの女の子も、モデルみたいに細くて綺麗な女の子ばかり、ってこと。

やっぱり、見た目重視なのかな。







そんな女の子達に優しくしてるのかと思えば、そんな感じじゃなくて。

なんか、ふわふわと、適当に、

あしらってるみたいな、そんな印象。

要するに、愛がないんだ。

愛が。

玉森先輩から、女の子に対しての愛が全く感じられないんだ。

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