最後のよるたま ページ46
それにしても玉は最悪だ。
親には決して言いたくなかったことなのに、私の許可もなしに話してしまうとは。
有頂天の母親をなんとか部屋の外に追い出して、身動きの取れない私はベッドの上で本格的に不機嫌になる。
「何でお母さんに言うかな
私に相談があってもよくない？」
なのに玉は表情ひとつ変えずに、さっきと同じようにベッドの脇に腰かけてくる。
「てっきり話してくれてると思ってたわ、俺らのこと」
「言ってない…」
言えるわけないじゃん。
だって相手は芸能人だし、お見舞にも来てないのに「実は彼氏は玉森裕太だ」なんて親に言ったとしても、頭でも打ったんじゃないかと逆に心配されるだけだよ。
結果、舞い上がった両親は、
「しばらく、うちでAを預かってもいいですか？」
とかいう、玉の突拍子もない提案を快諾し…。
その夜から私はまた、玉の部屋の住人になった。
前回と違うのは、きちんと生活必需品を携えた状態で玉の部屋に転がり込んだことだ。
「うちで預かるってどういう意味よ」
玉の部屋へ向かう車の中、私は後部座席からブランケットを被った状態で、運転席の玉に恨みがましく言葉をかけた。
「…なんとなく」
いつものように愛想のない言い方で、玉は高速の乗り口でウィンカーを出す。
絶対に玉には言うつもりはないけど、運転している玉は５割増しでイケてると思う。
いつもの緩さが少しだけ消えて凛々しく見えてるけど、これは絶対に口には出さないでおこう。
だけど私は何で、こんな風に後部座席で頭までブランケットを被った状態で車に乗せられているんだろう。
車に乗る時に、
「悪いけど、後部座席ってこれ被っといてくれる？」
ギプスで松葉杖状態の私を後部座席に押し込むと、
「マンションの近くになったら、完全に頭下げといて」
って、あんまりじゃん！
だけどこういう時、玉は芸能人なんだなってことを思い知らされる。
そんな思いをして玉の部屋にたどり着いた時には、さすがに安堵の溜息が漏れた。
なんていうか…、「帰ってきた！」みたいな安心感。
そして玉は私をソファーに座らせると、こう言い放った。
「当分、ここから出ないでくれる？」
「…出たくても、この足じゃ出れないけどね」
「最近、ちょっと事務所が外出にうるさくなっちゃって
Aの部屋に遊びに行きにくかったんだよね
だから、Aがここにいてくれると楽なんだけど」
…って、何だよ、その言い草は！
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りたわかめ(プロフ) - よーこさん» よーこちゃん…(/ω＼)こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします(/ω＼) (2021年12月27日 1時) (
レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - 和子さん» そんな風に言っていただいてうれしいです。こちらこそ、ありがとうございました♪ (2021年12月27日 1時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - Mayさん» こちらこそ、お付き合いいただいてありがとうございました。これからもゆるゆるな日々が続いていくと思われます♪ (2021年12月27日 1時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - lily810さん» こちらこそ、お付き合いいただいてありがとうございました。クリスマスに無事書き終えることが出来て、感無量です(/ω＼) (2021年12月27日 1時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - chiiiさん» またまたお返事が遅くなりまして、申し訳ないです。何とか完結いたしました。読んでいてもらえたらうれしいなあ♪ (2021年12月27日 1時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りたわかめ
| 作成日時：2020年9月5日 0時
