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仕方なく玉の前に座ったけど、とりあえず文句は言っておく。
「現実逃避なんかしてないよ」
「現実逃避してんじゃん
とりあえず働いてはいるけどさ、先のこと考えてる風には見えないし」
「何が言いたいわけ?」
「ずっと言ってんじゃん
とりあえず仕事が見つかるまでは、部屋を引き払ってここに住めは?って」
「だから、それは嫌なんだって」
「俺の世話になりたくないってこと?」
「対等じゃないのが嫌」
「対等とか、そんなこと言ってる場合じゃなくない?
俺的に、彼女が自滅していく姿を見ていたくないだけなんだけど」
自滅とか言われてしまった私は、本格的に不貞腐れる。
そこまで言わなくてもよくない?
「この3日間、Aがいろいろ家事を手伝ってくれたり、買い物に行ってくれたりしたことで、俺的にはかなり楽だったんだけど」
今度は可愛らしい目をして、懐柔してくる作戦みたいだけど。
私はその手には乗らないから。
「とにかく、今日は帰るね」
それだけ言い切って、玉の顔を見ずにそのまま帰途についた。
正直…、後味は悪い。
だけど、その数週間後、本当に私は部屋を引き払うことになってしまった。
仕事の帰りの雨の夜、駅の階段で足を滑らせて落下した私は、足首を骨折して救急車で搬送され、そのまま緊急手術を受ける事になった!
2週間も入院しているうちに派遣先には切られ、実家の両親は私の部屋を引き払ってしまった。
前々から「実家に戻ってこい」って言われてたのを、ずっと無視してたもんだから、この機に乗じて強引に部屋を解約してしまったわけで。
しかも、それを聞かされたのが退院の日という…。
もちろん怪我したことも入院したことも、玉には連絡していたけど。
…意外と反応が薄かった。
お見舞いに来ることもないし、連絡も途絶えがちになった。
薄情なヤツめ。
でもまあ、玉が特殊な仕事をしていることもわかってるし、簡単にお見舞いに来れないことも理解してたよ。
私が実家に引きこもることになると、今までみたいに玉とは簡単に会えなくなるな。
なんだか、あっけない終わり方だったな。
実家に戻って数日後の昼間、自室のベッドで高校時代に集めてたマンガを読み漁っていたら、
「おつかれー」
という怠そうな声が聞こえてきた。
…は?
何で、玉がここにいるわけ!?
当然のようにベッドの端に腰かけてきた玉は、
「これ、差し入れ」
そう言って、いつものようにコンビニの袋を差し出してきた。
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りたわかめ(プロフ) - よーこさん» よーこちゃん…(/ω\)こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします(/ω\) (2021年12月27日 1時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - 和子さん» そんな風に言っていただいてうれしいです。こちらこそ、ありがとうございました♪ (2021年12月27日 1時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - Mayさん» こちらこそ、お付き合いいただいてありがとうございました。これからもゆるゆるな日々が続いていくと思われます♪ (2021年12月27日 1時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - lily810さん» こちらこそ、お付き合いいただいてありがとうございました。クリスマスに無事書き終えることが出来て、感無量です(/ω\) (2021年12月27日 1時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - chiiiさん» またまたお返事が遅くなりまして、申し訳ないです。何とか完結いたしました。読んでいてもらえたらうれしいなあ♪ (2021年12月27日 1時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りたわかめ | 作成日時:2020年9月5日 0時