続・金曜日のよるたま

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なんか、おかしいんだ、私は…！

普段は一晩熟睡すれば、大概のことは忘れてしまうのに。

あの日、10時間くらいぶっ続けで眠ってみたけど、

目が覚めた途端に、あの夜の唇の感触がリアルに脳内に蘇ってきて、一人で頭を抱えていた。

その日の深夜にオンラインで玉と会ったけど、

あのキスの話題は一切出ないし、普段通りな玉。

私一人が変にぎこちなくて、その日も、

「眠いから落ちるね」

とかって、早々にオフラインにしてしまった。

玉はきっと、あのキスのことを覚えてないのかもしれない。

それとも、キスなんか玉にとっては挨拶みたいなもんで、いちいち気にしてないか。

だけど…、私にとっては、かなりショッキングな出来事だったんだ。

私は友達とはキスはしないから。






その次の日も玉とチャットで話したけど、やっぱり私一人がぎこちないというか…。

胸がもやもやしてきて、息苦しくなって、どうにかなりそうになる。

気が付いたらその日以降、私は玉を避けるようになってしまった。

玉がオンラインに現れそうな時間帯にはログインしないようになり、たまにくるLINEにも、スタンプか短文で会話が続かないように返したり。

ちょっと…、しばらく玉とは距離を置きたいんだ。

玉には気付かれないように、少しずつ。

どうせ玉は、当分私の部屋には来れないわけだし。








そして今日の金曜日。

珍しく玉からはLINEが来なかった。

少し寂しくもあるけど、私はかなり安堵してたかも。

なのに深夜23時を回った頃、いきなり玉は現れた。

私がお風呂に入ってる間に現れた玉は、無言でいつもの場所に座っていて、

無防備にバスルームから出てきた私を驚かせた。

「何でいんの！？」

そう訊ねた私を、最大級に不機嫌な顔で見上げてきては、無言で隣で座るように指示してくる。

「当分、来れないんじゃなかった？」

恐る恐る隣に座りながら、なるべくさりげなく、そう訊ねてみたけど、玉は何も答えてくれない。

私の方へ半身を向けるように座り直した玉は、

「A、最近避けてない？」

静かに怒ってるような口調で訊ねてきた。

「…何が？」

ここは、とぼけてみる作戦に出てみる。

てか、何で私がここまで気を遣わなきゃいけないわけ？

大体、キスしてきたのは玉の方じゃん。

それについて何も語らないくせに、私が避けたら怒り出すなんて酷くない？

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