金曜日のよるたま

オンライン飲み会のよるたま ページ13

引きこもり生活も１ヶ月を過ぎると、本当に何もやることがなくなってきた。

もちろん、仕事もきちんとしてるよ？

だけどそれ以外の時間は、この狭いワンルームでの１人時間なわけで。

大体の時間は玉とオンラインでゲームしたりしてるけど、お互いゲームもやり尽くして飽きてきたわけで。

最近はオンラインチャットをしながら、ダラダラと無気力で話してるだけ。

たまに無言が続いたり、気が付いたらどちらかが寝ちゃってたりする時もあるけど、その空気感すら玉となら辛くないのが不思議なんだ。

最近の玉は、時々仕事も入るみたいだけど、大体は家にいる。









昨日の夜、「明日は朝から仕事」とか言ってたから、今日の私はことごとく暇！

レコーダーの録画は全て消化したし、部屋にあるコミックも、もう二巡目するくらいに読み込んだ。

ベッドの上で大の字になってスマホを眺めていたら、急に着信が入る。

「A？今、何してんの？」

って、やけにユルユルな玉の声。

「寝てる」

そう答えたら、電話の向こうでいつもの笑い声が聞こえてくる。

「あのさ、さっき長尾から電話があって、リモートで飲み会しないかって言われたんだけど」

長尾くんか。

玉の幼なじみの一人で、私は高校も一緒だった。

しかも、長尾くんの彼女の千歩は私の友達でもある。

「俺、そういうの苦手なんだけど」

「そうだろうね」

「だから、Aも一緒でいい？って聞いたら、是非お願いしたいって
彼女のことで相談があるんだって」

なるほどね。

実はちょっと前に地元の友達とのグループLINEで、千歩からその話は聞いてた。

結婚話が持ち上がってるのに、長尾くんに浮気疑惑が発生して、険悪なことになってるって。

「…いいけど」

どうせ暇だし、相談くらいならいいんだけどさ。








とりあえず、千歩にLINEを入れてみる。

『もう別れようと思ってる
結婚前に浮気するような人は、結婚しても浮気すると思うし
でね、落ち着いたら合コンしようって話が出てるんだけど
Aも一緒に来てくれないかな』

「別れちゃうの？
じゃあ私、長尾くんになんて言えばいいわけ？」

『正直に言っていいよ、別れたがってるって』

マジか！

ちょっと私には重荷のような気がするんですけど。

『てか、コテンパンに叱っといてくれる？』

コテンパンとか。

そんなの、なかなか言えないって。

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