ペパーミントブルーソルベ

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だけどそれから数日後の日曜日。

何故か先生は、いつものように我が家へ現れた。

しかも女の先生を伴って。

その先生は保健室の先生で、長谷川先生という３０代半ばくらいの人だった。

「実は女の先生を同伴するなら、ここに来てもいいってお許しが出たんだよね」

どうやら問題はえこひいきの方じゃなくて、私達姉妹の方みたいだ。

確かに２０歳前後の女子しかいない家に、独身の男性教師が足繁く通うというのは世間的にもよろしくはないよね。

長谷川先生と子育て相談的な話をしている間、庭で先生と瑠宇は楽しそうに遊んでいて。

縁側からそれを眺めた長谷川先生は、眩しそうに目を細める。

「私にも、瑠宇くんと同い年の息子がいるんです」

「そうなんですか？」

「だから二階堂先生はて、私をここに連れてきてくれたのかもしれません」








「私、離婚してるんです
息子は夫の許にいるので」

だからなんだ…。

さっきから瑠宇を眺める長谷川先生の目は切なげで儚げで。

遊び疲れた瑠宇が家に戻ってきて、２人で昼寝をしはじめたけど、

珍しく二階堂先生は一緒に昼寝をしないで、私達の許にやってきた。

しばらく３人で瑠宇の話なんかしてたけど…、私は気付いてしまった。

どうも二階堂先生の様子がおかしいことに。

長谷川先生の前では話し方が柔らかいし、その眼差しは愛しいものを眺めるかのように優しげで。

なんか…、わかっちゃったかも。

きっと、二階堂先生は長谷川先生のことが好きなんだ。

健気で儚げで、守ってあげたくなるようなタイプだもんね。








長谷川先生は、２時間ほど我が家に滞在して帰って行った。

なのに、二階堂先生は帰らない。

居間のいつもの位置にどかりと座っては、テレビなんか見ている。

「長谷川先生って綺麗な先生だね」

わざとそんな言い方をしたら、先生はようやくこちらに視線を向けた。

だけど不思議そうな目をして私を見つめては、何も答えてこない。

「ああいう人がタイプなんだ？二階堂先生って」

なのに先生からは、

「何で？」

とかいうスカした返事が返ってくる。

妙に偉そうな年上ぶった顔つきをして。

「好きなんじゃないの？長谷川先生のこと」

「は？何でそう思うわけ？」

「…先生、もしかして怒ってる？」

「怒ってないけど、何でそんなこと言うんだろうと思って」

先生、いいことを教えてあげる。

人って図星を突かれると怒るものらしいよ。

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