ペパーミントブルーソルベ

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二階堂先生はその後、庭で瑠宇と走り回り、一緒に昼寝して、夕食まで食べて帰って行った。

瑠宇はとてもハイテンションで、その日はお風呂に入ったらコトリと眠りについてしまう。

いつもは寝付けなくて大変な子なのに。

ちゃんと面倒見れてるつもりになってたけど、やっぱり私達はまだまだ甘かったなと反省したり。

これから週末は、思いっきり瑠宇を楽しませてあげたいと思うようになった。

思うようになったのに…、何故か週末になると、二階堂先生は我が家にやってくる。

普通にお昼ごはんを食べて、瑠宇と遊び回って、やっぱり夕食まで食べて帰ることになるんだけど。

今日に限って帰り際、先生は私を外に呼び出した。

「ちょっと送ってくんない？途中まで」

とか、訳の分からないことを言って。

私は人の表情を読むのが得意だから、先生の顔を見ただけですぐにわかった。

きっと、瑠宇の前で言えない話があるんだろう。







家の近くの公園で、何故か隣り合わせでブランコに乗りながら、

「なあ、お姉さんってさ、どんな人？」

先生は唐突に、そんなことを聞いてくる。

「うーん…、私と７歳離れてるから、あんまり一緒に遊んだ記憶とかもないから、よく知らない」

いつもは騒がしい先生なのに、その時だけは小難しい横顔を見せて、ゆるゆるとブランコを揺らしていた。

「帰ってくると思う？お姉さん」

「…どうかな」

「今までも、こんなことあったとか？」

「一度だけ
まだ両親が生きてた頃に、瑠宇を預けて３ヵ月ほどいなくなった」

「それって、どこに行ってたか聞いた？」

「なんか…、言わなかったらしい」

姉が家を出た時、私はまだ小学生だったから、正直あまり関りがないっていうか…。

まるで親戚のお姉さんみたいな感覚で。

お互い、他人行儀な関係みたいな。







「あのさ…、言いにくい話なんだけど」

先生は声を潜める。

「男なんじゃないの？
出てった理由」

多分、わざわざ夜の公園に呼び出してまで私に話したかったことは、これなんだろうな。

視線を斜め下に残したまま、先生はずっとブランコを揺らしている。

「実は今日、ちょっと瑠宇から聞いたんだよね
お姉さん、夜に瑠宇を1人にしてよくどこかへ行ってたらしい」

「そうなの！？」

「やっぱ、知らなかった？
なんか瑠宇、Aとか玲に遠慮してるみたいで」

瑠宇が私達に遠慮をしてるのは、なんとなくわかってた。

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