ペパーミントブルーソルベ

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私の仕事の都合もあり、家庭訪問は日曜日に行われることになった。

朝から私と妹の玲と瑠宇とで、家の大掃除。

そして約束の３時きっかりに、二階堂先生は我が家にやってきた。

妹と瑠宇を別室に押し込んで、リビングで先生と差し向かい。

「この家に、今まで妹さんと２人で暮らしてたってことですか？」

先生は遠慮なしに部屋を見回しながら、そんなことを言ってくる。

無理もない。

古いけどなかなか立派な和風な一軒家だし。

正直、部屋も余ってるから、瑠宇１人が転がり込んできたって何の不自由もない。







「失礼ですけど、ご両親は？」

「２年前に交通事故で…」

そう言いかけたら、先生はわかりやすく悲しげに眉を顰めた。

この家は祖父母からうちの両親が受け継いだもので、両親の死後は私達姉妹が相続することになった。

「新しい個人調査票を持ってきたんで、ここで書いてもらえますか？」

言われた通りに、新しい家の住所や私の名前を書き込んでいたら、

「Aって言うんだ？」

ほらまた、先生はタメ口になってくる。









だから、私もタメ口で返してやる。

「先生って、生徒から怖がられてるんじゃない？」

「は？何で？」

「だって懇談の時、超怖かったから
威圧的だし、なんか私を責められたし」

「そんなつもりはなかったんだけど…」

…あれ？

けっこう、打たれ弱い感じ？

急にしおらしくなって、意外に可愛いじゃん。

急に襖を開けて、瑠宇がちょこっと顔を出してくる。

「Aちゃん、二階堂先生は怒ると怖いけど、優しくて、よく遊んでくれるし、
先生はクラスで大人気なんだよ」

その時の二階堂先生の勝ち誇ったような顔といったら。

まるで子どもみたいなドヤ顔で私をチラ見すると、

「瑠宇、おいで」

そう言って呼び寄せると、膝の上に瑠宇を乗せてしまった。

なるほど。

膝に乗せてもらって嬉しそうな瑠宇の様子を見てると、意外と先生は子どもに好かれるタイプなのかもしれない。






「いいね、この家
すげえ居心地いい
また、ちょくちょく来ていい？」

いきなりそんなことを言い出す先生に、私は驚いてるけど、瑠宇は大喜び。

「先生が生徒の家に用もないのに来るのって、ヤバいんじゃない？」

そう聞いたら、先生はまたドヤ顔で偉そうに言い返してくる。

「担任として、瑠宇の様子も確認しないといけないし」

とか、もっともらしい理由でそう言い切られたら、もう私は何も言い返せなくなった。

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