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その日の夜、強引に二階堂先生を夕食まで引き止めて、私から夜の公園に誘い出した。
「何?大事な話?」
先生は心配そうに顔を覗き込んでくるけど、私はそれを無視してブランコへ乗る。
先生もいつものように隣のブランコに乗るけど、私の様子が気になるのか、チラチラとこちらを気にしていた。
「長谷川先生と少し話したんだけど…」
そう言いかけたら先生は、さっきまでゆらゆらと揺らしていたブランコを止めて、じっとこちらを見つめてくる。
ああ、なんて説明したらいいんだろう。
本当のことを話しても、きっと二階堂先生に嫌われるだけだ。
「長谷川先生、何か言ってた?」
心配そうに私を見つめるその瞳すら、私を傷つける。
本当は、こんなことを言うつもりはなかったのに。
「先生、もう家には来ない方がいいよ」
気がついたら、そう言ってた。
「長谷川先生は諦めた方がいいよ」なんて言ったら、
二階堂先生がどんな表情になるんだろうと想像したら、とても言えなくなった。
「どういう意味?それ」
なのに先生は、私の気持ちなんか気付きもしないで、真っ直ぐな視線を私に向けてくる。
「長谷川先生に言われたの?
もう家には来させない方がいいって」
「違うよ
長谷川先生と話してて、そう思っただけ
やっぱり特定の生徒の家に先生が来るのって、よくないんじゃないかなと思って」
「迷惑ってこと?俺が来るの」
迷惑なわけない。
だいぶ助かってるし、瑠宇だって喜んでる。
でも私は心を鬼にしてこう言う。
「…迷惑」
先生はあからさまに傷ついた目になって、そのまま視線を地面に落とした。
「なんか…、ごめん
よかれと思ってやってたんだけど、A達に迷惑かけてたみたいで
いつもそんな感じなんだよね、俺
1人で突っ走っちゃって、空回りしちゃうような」
なんか、わかるかも。
でもそこが、先生のいいところなんだけどね。
「…わかった、もうAの家には行かない
でも瑠宇のフォローはしたいから、週1くらいで電話したりすると思うけど、それは許して
あと、俺が急に来なくなったことで瑠宇が不安がるかもしれないから、それもちゃんと話してあげてくれる?」
急に凜とした表情になって、僅かばかりの月光に照らされたその横顔は、今まで見たことないくらい綺麗で。
それが直視できなくて、すぐに目を逸らした。
…もう、これ以上、先生に近付きたくない。
これ以上、好きになりたくない。
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りたわかめ(プロフ) - yunikoさん» いやいや、実は私も内容かなり忘れてましてwwもう何ヶ月も更新してなくて忘れてても当たり前ですよねー。これからもよろしくです (2020年9月16日 15時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
yuniko(プロフ) - まってましたぁ〜!内容ちょっと忘れてて←あれっ私たち付き合ったっけ?泣)てなって見返したw はぁ、今日もキュンをありがとう!続き楽しみにしております、、(;▽;) (2020年9月15日 23時) (レス) id: 69d8cccbd8 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - めろんさん» びっくりしましたよ!本当に本当に。これからは作者同士の付き合いでどうぞよろしくお願いします(*'ω'*) (2020年4月24日 23時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - nanacoさん» ここんとこニカさんの話を全く書いてなかったので、探り探りって感じなんですよー(/ω\) (2020年4月24日 23時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - この度は、ヒクシ先生(違)二階堂先生のお話をありがとうございます♪勇気を出してコメントしてみました(笑)わかるかな?ww 続きも楽しみにしてます! (2020年4月16日 14時) (レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りたわかめ | 作成日時:2020年3月14日 0時