10 ページ10
「そう？」
「バイだってこと、何で隠してたの？」
「面倒くさいから」
本当に面倒くさそうな顔をしてるから、これは本当なんだろう。
「女の子とするの、久しぶり？」
「何で？」
「なんとなく」
「うーん…、そうかもね」
全く気持ちの籠ってない返事をしながら、彼は私の首の後ろに唇を寄せる。
音まで立てて吸い付くと、
「嫌がらせしといた」
とかって、可愛らしく笑いかけてきた。
「何？」
「キスマークつけといた
会社で、もう髪とかまとめられないくらいに」
…マジか。
でも何故か、それが嫌じゃないのが不思議だ。
「変なこと聞いていい？」
一応お伺いをたてておいたのに、
「嫌だ」
彼は即答で断ってくる。
だけど私はそれを無視して質問を続ける。
「男の人とする時は、どっちなの？
受け？それとも攻め？」
わざとＢＬ用語で訊ねてみたら、彼は小馬鹿にしたように鼻で笑ってくる。
「それ、聞いてどうすんの？」
「純粋に知りたいだけ」
てっきり無視されるかと思ってたのに、彼は意外と簡単に教えてくれた。
「好きになった人に合わせてる」
その短い回答だけで、彼の大体の軸が理解できたような気がした。
急に自分が損してるような気分になるような。
だって私は全世界の男性しか好きになれないけど、彼は全世界の人類が恋愛対象なわけだから。
その相手の望むように、彼は愛し方を変えられるってことなんだ。
起床時間が近付いてきた頃、私は急に重大なことを思い出した。
「…あのさ、避妊とか…した？」
恐る恐る訊ねたら、彼は真顔で返してくる。
「してないけど」
…やられた。
アフターピル飲まなきゃいけないパターンじゃん、これ。
元彼にも何度かされちゃってたんだよね。
「大丈夫
俺、小学生の時に大きな病気をしちゃって「将来子どもは持てない」って宣告されてるから」
「…大きな病気って？」
「たいしたことないし、今は完治してる
それに、今まで女の子とする時はずっと避妊してないけど、誰も妊娠してないから安心して」
そんな告白に、私はどう言葉を返したらいいのか。
確かに安心はしたけど、
小学生の彼が、子どもを持てないと宣告されてる姿を想像したら、胸が苦しくなった。
思わず頭を撫でてあげると、彼はくすぐったそうに目を閉じる。
そのくせ、
「まあ、出来てたらラッキーなんじゃね？
だって、子ども欲しかったみたいだし」
とか言って、意地悪い目をしてまた鼻で笑われた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1857人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りたわかめ(プロフ) - 牡丹さん» ありがとうございます。更新遅めですが、また読んでやってください♪ (2021年3月8日 16時) (
レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
牡丹(プロフ) - はじめまして！オススメのところから辿り着き、一気に読ませていただきました(☆∀☆)スピンオフも楽しみにしています！！ (2021年3月8日 9時) (レス) id: 1a54c4e0e3 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - 汐里さん» 終わってしまいましたー♪続編も書きたいところなんですが、外伝書きたくなってきて、今ウズウズしてますw (2021年1月12日 20時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - moraさん» 終わっちゃいましたよー(/ω＼)でも外伝書きたくてウズウズしてますがwww (2021年1月12日 20時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - nanacoさん» ありがとうございます。けっこう長い時間がかかってしまいましたが、最後まで読んでいただけてありがとうございます♪ (2021年1月12日 20時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りたわかめ
| 作成日時：2020年2月15日 12時
