35 ページ35
「そんなにすごかったんだ？宏光って」
「すごいっていうか…、なんか伝説の人みたいな感じで
俺なんか相手にもしてもらえないっていうか、視界に入れてももらえないっていうか」
…マジか。
いや、確かにすごい人だとは思ってたけど。
そこまでだとは思ってもみなかった。
「しかも相手に合わせてオールマイティーって、なかなか珍しいじゃないですか
だから、ミツがバイっていうのも、なんとなく納得できるというか…」
そんなになんだ？
そんな伝説の男と結婚してしまった私は、一体どうしたらいいわけ？
家に帰ってきてすぐに、宏光にその話をしてみた。
「伝説の男だったって本当？」
今日聞いた話を全て話して聞かせてみたけど、彼は苦笑いでキッチンでカレー鍋をかき混ぜている。
「それ、本当に俺の話？
昨日見たその人も、全然知らない人なんだけど」
まさか当の本人は、自分が伝説扱いされてたってことに気付いてないとか？
「高橋くん、心配してたよ
自分の子どもが欲しいから、私を利用しただけなんじゃないかとか、
あんな手練れが、一人の人間で我慢できるわけがないって」
なのに彼は、何が面白いのかただ笑ってるだけ。
「俺って、周りからそんな風に見られてたんだ？」
「まさかの自覚なし？
なんか、魔性の男みたいな扱い方をされてたけど」
「ふーん、その魔性の男と結婚してるAは、逆にどんな気持ち？」
「…果てしなく不安」
正直に答えただけなのに、やっぱり彼は笑い出す。
伝説で魔性の手練れな男と、成り行きで結婚してしまったわけで。
そんな男が私一人に満足できるわけがないじゃん。
今週２回目のカレーを食べながら、さっきの話はまだ続く。
といっても、私が１人で質問してばっかで、彼は苦笑いで相槌を打つ程度だけど。
「最近Aってさ、俺が浮気するんじゃないかとか、そんなことばっか心配してない？」
「するでしょ、普通」
「そんなに今の俺、信用ない？
Aを不安にさせてる？」
急に真面目な顔になった彼は、向かいの席から私に手を伸ばしてくる。
「…ついてる、ここ」
唇の端についてたらしきソースを指で拭うと、ペロリとそれを見せつけるみたいに舐めあげた。
…それだよ。
そういうとこだよ。
そういうのって、他の人にも簡単にしちゃってんじゃないの？
でもって、知らぬ間に骨抜きにしちゃってんじゃないの？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1858人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りたわかめ(プロフ) - 牡丹さん» ありがとうございます。更新遅めですが、また読んでやってください♪ (2021年3月8日 16時) (
レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
牡丹(プロフ) - はじめまして！オススメのところから辿り着き、一気に読ませていただきました(☆∀☆)スピンオフも楽しみにしています！！ (2021年3月8日 9時) (レス) id: 1a54c4e0e3 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - 汐里さん» 終わってしまいましたー♪続編も書きたいところなんですが、外伝書きたくなってきて、今ウズウズしてますw (2021年1月12日 20時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - moraさん» 終わっちゃいましたよー(/ω＼)でも外伝書きたくてウズウズしてますがwww (2021年1月12日 20時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - nanacoさん» ありがとうございます。けっこう長い時間がかかってしまいましたが、最後まで読んでいただけてありがとうございます♪ (2021年1月12日 20時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りたわかめ
| 作成日時：2020年2月15日 12時
