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その日はもう…、凹み過ぎて、どう帰ってきたのか記憶がないくらいの状態で。
家に帰ってきたら、何故か彼はキッチンでカレーを煮込んでいた。
「おかえりー」
って、のん気な声で振り返った彼は、私の落ち込み具合に気付いたのか、火を止めてこちらに歩いて来た。
「どうした？
なんかあった？」
いつものように軽いノリでそう聞かれて、私は溜息をつきながらソファーにぐったりと横になる。
「…嫌なことあった」
それだけ告げると、私は目を閉じた。
ちょっとだけ寝よう。
そうしたら目が覚めた頃には、少しは精神的に楽になってるんじゃないかな。
だけど、頭の隣でソファーが深く沈んで、隣に彼が腰かけてくるのが分かった。
何も言わずに彼は、私の髪を撫で始める。
昨日もそうだったけど、彼の手のひらはやばい。
まるで変な力でももってるんじゃないかって思うくらいに、手のひらからいろんな感情が流れ込んできて困る。
大丈夫だって、ずっといてやるから、みたいな、そんな感情が。
「結婚ってよくない？」
ようやく、彼はそんなことを口にした。
「外で嫌なことがあっても、こんな風に慰めてくれる人が家にいるってヤバくない？」
ヤバくない？って表現は理解できないけど、言いたいことはよくわかる。
今までの私なら、こういう時は１人で我慢してた。
真っ暗な部屋でテレビだけをつけて、１人で泣いてた夜も幾つもあった。
「悲しい時や辛い時は、話を聞いて慰めてほしいって言ってなかった？
聞いてやるから、話してみたら？」
その言い方は相変わらず軽くて拍子抜けするけど、意外と彼は律儀だ。
あの約束をきちんと守ろうとしてくれるとか、真面目かよ。
…でもヤバい。
彼は意外と、私の理想の結婚生活を遂行してくれているわけで。
どんどん彼に依存していってるし、だんだん彼を信頼し始めている自分がいる。
歪な形で始まった結婚生活だけど、なんでだろう…、かなり幸せなんだけど！
一頻り話を聞いてくれた彼は、
「辞めてもいいよ、会社」
まさかの、頼りがいのある微笑を携えて、そんなことを言ってきた。
「そんな女子に優しくない会社、今時どうなわけ？
そこにいても未来はないんじゃない？」
「辞めたら、生活苦しくなるじゃん」
「大丈夫だって
その分、俺が稼ぐし」
って、何？その笑顔は。
可愛い過ぎてうっかり「じゃあ辞める」って口にしちゃいそうになったじゃん！！
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りたわかめ(プロフ) - 牡丹さん» ありがとうございます。更新遅めですが、また読んでやってください♪ (2021年3月8日 16時) (
レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
牡丹(プロフ) - はじめまして！オススメのところから辿り着き、一気に読ませていただきました(☆∀☆)スピンオフも楽しみにしています！！ (2021年3月8日 9時) (レス) id: 1a54c4e0e3 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - 汐里さん» 終わってしまいましたー♪続編も書きたいところなんですが、外伝書きたくなってきて、今ウズウズしてますw (2021年1月12日 20時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - moraさん» 終わっちゃいましたよー(/ω＼)でも外伝書きたくてウズウズしてますがwww (2021年1月12日 20時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - nanacoさん» ありがとうございます。けっこう長い時間がかかってしまいましたが、最後まで読んでいただけてありがとうございます♪ (2021年1月12日 20時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りたわかめ
| 作成日時：2020年2月15日 12時
