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今日から丸２日間、私達はここに籠城することになる。
さんざん寝たから、もう眠くないわけで。
とりあえず飲み始めたものの、寝過ぎて逆に眠いくらい。
何度もあくびを繰り返す私を見て、苦笑いの彼は、今日何本めのビールを飲み干した。
「何？眠いの？」
「寝過ぎて逆に眠い」
「あんなに寝たのに？」
そうだよね、あんなに寝たのに。
さっきから彼のお勧めの映画を見てるけど、それが微妙につまらないのも原因のひとつかも。
だけど、この部屋にいる時の彼はいい！
すこぶる善き！
適度にユルユルなくせに、そのユルユルの隙間から僅かに色気を匂わせてくる。
眠いながらも、そんな彼の未自覚な様子から目が離せないでいた。
この人は、仕事以外の時でもいつもこんな感じなんだろうか。
何もしてなくても人の視線を捉えて離さない、みたいな。
天性のものなんだったら、末恐ろしいんだけど。
こんなユルユルな北山宏光を今ひとりじめしてるとか、どんだけ私は恵まれているんだろう。
…私の次の転生はもうないかもしれないな。
そんなくだらないことを考えながら、私はずっと彼の横顔を眺めている。
きっと彼はそんな私の視線にとっくに気付いているはずなのに、すました顔をしてテレビに視線を向けたまま。
最初は見てるだけでよかったのに、ついに本能で指が伸びてしまう。
そのぷるりとした唇に触れたかったのに、一瞬躊躇して、それでもどうしてもどこかに触れたくて、その頬に指を伸ばした。
一瞬こちらに視線を向けたものの、彼はまたテレビに視線を戻してしまうから。
これは、触ってよしってことなんだよね。
指だけでは物足りなくなった私は、今度は両の手のひらで挑む。
両の手のひらで彼の頬を包み込むように乗せて、そのままやんわりと顔をこちらに向けた。
「今日は触っていい日？」
そんな聞き方をしたら、
「一応、いつも触っていい日なんだけど」
苦笑いで彼は答える。
「じゃあ、今日はどこでも触っていい日？」
「いいよ、Aにそんな度胸があればね？」
余裕ぶった笑みを浮かべながら、両頬に寄せられたままの私の手首を掴んでくる。
「どうする？
ほら、好きに触っていいよ」
そのまま手首をスライドさせて、胸のあたりに誘ってくるとか…。
…ヤバい。
彼の目つきが、さっきとはまるで違うことに気付いてしまった私は、安易に彼の肌に触れてしまったことを今更ながらに後悔していた。
だけどもう、止められないけどね。
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りたわかめ(プロフ) - chiiiさん» お返事が遅くなり申し訳ございません。また続けて書いて行きたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m (2021年12月27日 1時) (
レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
chiii(プロフ) - これからのお話が楽しみです！ (2021年6月20日 14時) (レス) id: 3eedbd4ab6 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - 和子さん» こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます。 (2021年6月8日 10時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - moraさん» 実は地味に更新してるんですよw不穏な流れになってるかもです<(_ _)> (2021年6月8日 10時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
和子(プロフ) - 更新ありがとうございます。待ってました! (2021年6月1日 0時) (レス) id: f18c01eb01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りたわかめ
| 作成日時：2020年9月6日 19時
