4 ページ4
どうやら霞さん夫婦は、別行動で帰ってきたらしい。
「一応、私は女なわけだし
北山くんに迷惑をかけちゃいけないなって、別行動にすることにしたんだけど
この家を嗅ぎつけられたら困るわけじゃん？
案の定、北山くんの乗ってる方の車をついてくる車がいたらしくてさ、山道を走ったりして撒いてきたらしいよ」
「でも、何でバレたんですかね」
「きっと温泉で北山くんを見かけた客が、ツイートでもしたんじゃないかって話」
なるほど。
そういうことで記者やパパラッチは動いちゃうんだ？
その日の鍋パーティーは、その話題で持ち切りだった。
帰りはどんな風に帰るかとか、作戦会議でもちきりで。
寒い離れの二階で、ようやく２人きりになった時に、ようやく彼からその話を聞くことができた。
「明日はAとは別の車で帰った方がいいんじゃないかって話になってる」
意外にあっさりとそう答えた彼は、例の冷たくて固くて重い布団にさっさと潜り込んでは、布団の端を大胆にめくった。
「早くおいで」
って、くしゃっと可愛らしい笑みを携えながら。
…ずいぶん余裕だね。
雑誌社に張られてるかもしれないのに、まるで他人事みたいじゃん。
布団に入って一番に聞いたのは、
「怖くないの？」
ってことだった。
なのに彼はやっぱり普通に、
「何が？」
と、答えてくる。
「だって、写真撮られちゃうかもしれないんだよ」
「別に、よくあることだし」
って、あくびを噛み殺してるあたり、本当にこれが日常な感じなんだ？
私がぼんやりしてるうちに、彼はするっと首の下に腕を差し入れてくる。
そのまま手慣れた感じで肩を抱き寄せると、
「明日はどうする？
うちに泊まりに来る？
それとも俺がAの部屋に行く？」
こんな状況なのに、そんな大胆なことを訊ねてきた。
「無理だって
東京に帰ったって、張られてるかもしれないのに」
そんな私の心配も、彼はいとも簡単にスルーしてくる。
「じゃあ、どっか違う所にでも行く？」
「違う所？」
「俺の地元とか」
…地元！？
北山宏光の地元に私が訪れるってこと！？
「実家に泊まってもいいし、ホテルとってもいいし
Aの好きにしていいよ」
北山宏光の実家…。
昨日はいきなり結婚の話題が出たかと思ったら、今度は実家！？
昨日も全然眠れてないのに、また今夜も私を悩ませる気！？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1950人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りたわかめ(プロフ) - chiiiさん» お返事が遅くなり申し訳ございません。また続けて書いて行きたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m (2021年12月27日 1時) (
レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
chiii(プロフ) - これからのお話が楽しみです！ (2021年6月20日 14時) (レス) id: 3eedbd4ab6 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - 和子さん» こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます。 (2021年6月8日 10時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - moraさん» 実は地味に更新してるんですよw不穏な流れになってるかもです<(_ _)> (2021年6月8日 10時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
和子(プロフ) - 更新ありがとうございます。待ってました! (2021年6月1日 0時) (レス) id: f18c01eb01 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りたわかめ
| 作成日時：2020年9月6日 19時
