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「Aって最初から、わきまえてるっていうか
俺の立場をちゃんと理解して動いてくれてる、みたいなとこあったじゃん？
だから本当のことを知って、道理でなって思った」
ああもう、恥ずかしくて顔も上げられないよ。
口説かれて強気だった私は、もういない。
ここにいるのは、ただの北山宏光のガチヲタで、
彼の前では、北山宏光のことなんて微塵も知らない一般人を装ってた、恥ずかしいガチヲタの私。
まさに形勢逆転で、彼は隣にしゃがみこんできては、目線を合わせてくる。
「恥ずかしい？」
だからわざわざ、そんなこと聞かないでよ。
本当に彼は、こういう時に意地悪だ。
「俺も相当恥ずかしいんだけど
Aは俺の仕事のこととか何も知らないだろうと思って、熱く語ったりしたこともあったじゃん？
あれ、ちゃんと意味わかってたんじゃないの？」
たまにあったよね。
酔うと熱く語り出すことが。
コンサートの仕様の件から、将来的な野望まで。
それはもう、気持ちよさそうに語ってたっけ。
でもそれだって私は、内心うっとりしながら聞いてたわけで。
「だから、恥ずかしいのはお互い様ってことで」
そう言われても、私の羞恥心は簡単には消えないけど。
ああ、まさかこんな形でバレてしまうとは。
やっぱり嘘や隠し事はよくないよね。
いつもの位置に２人で並んで座っても、今夜は何故かぎこちない。
彼はおでんの厚揚げを箸で掴むと、
「はい、あーん」
と、口元に寄せてくる。
「…厚揚げ、好きじゃない」
嘘。
好きだよ。
だけど、こんな時にイチャイチャなんてできないんだって。
今、私は、ひたすら恥ずかしさと気まずさと戦ってるのに。
「なんだったら食べてくれんの？」
なのに彼は一人機嫌がよくて、２人の温度差が激しすぎる。
「お腹すいてないから、いい」
それも嘘。
本当はお腹がすきまくってるけど、今はのん気に食べている場合ではない。
「じゃあ、俺が一人で食べちゃってもいいわけ？」
無邪気にそう微笑みかけられて、
「…いいよ」
つい、声が小さくなる。
「お腹すいてるくせに」
そんなことを呟きながら彼は、隣で美味しそうにおでんを食べはじめる。
しかも、美味しそうに喉を鳴らしてビールを飲みながら。
「…ごめん」
２人の間に流れる変な沈黙が恐ろしくて、そんな言葉を口にした。
「嘘をつくつもりはなかった
北山さんとこんなに仲良くなるなんて、思ってもみなかったから」
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りたわかめ(プロフ) - えりさん» ありがとうございます、多分、3ヶ月ぶりくらいに更新した気がします・・・。夏の間は死んでました(T^T) (2020年9月6日 21時) (
レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - ひろさん» 本日、移行しました！読んで頂けたら嬉しいです(/ω＼*) (2020年9月6日 21時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - わかめさん、更新ありがとうございました。めちゃくちゃドキドキです。 (2020年9月5日 17時) (レス) id: 8591dd4797 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 久々の更新楽しみにしてました！！楽しく読ませていただいてます(*´ω｀*) (2020年9月1日 22時) (レス) id: 57f2f46317 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - moraさん» わざわざ聞かせてみましたwwwいこう！ってwwww (2020年9月1日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りたわかめ
| 作成日時：2020年2月7日 22時
