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それからの数日、本当に彼からは短文のLINEのメッセージしか来なくなった。
それは会話のラリーと呼ぶには時差がありすぎて、お互いの近況報告みたいな短文のやりとり。
そしてクリスマスイブの夜、帰宅した私は一番にスマホのラジオをONにする。
聞こえてくる彼の声に、1人でほっこりなんかしてみたりして。
相変わらずのぼっちクリスマスだけど、この充実感は一体何!?
25日は仕事は休みを取った。
だから私も彼と同じように徹夜して、25日の正午を迎える。
今にも寝ちゃいそうなくらいに眠いけど、あと数時間で彼に会える、そう思ったら眠気も吹き飛んでいく。
そういえば今日はどっちの家で会うかって、約束してなかったっけ。
充電器に差しっぱなしのスマホを手に取れば、そのタイミングでLINEが入った。
『今どこ?』
相変わらず、用件のみの短いメッセージ。
「自分の家だよ」
『俺の家で待ってて』
それきり、メッセージは途絶えた。
そこからはもう、まるで早送りのように用意を始める。
シャワーを浴びて、お泊まりの用意と明日の準備も荷物に詰めて、寒空の下を自転車を走らせた。
きちんと合鍵で部屋に入ってすぐに、私は玄関で暫しフリーズ。
…いや、部屋、荒れすぎじゃない?
前回片付ける前より散らかってるこの部屋を見て、また私は、早送りのように動き始める。
シーツを交換して洗濯しながら、水回りを掃除し、掃除機をかけ、ゴミを集積所に持っていったところで、彼が帰ってきた。
「お、綺麗になってる」
って、満足げな彼は、私の手首をおもむろに掴んで、こう言った。
「早速で悪いけど、寝ない?」
私の返事も聞かずに、強引に私を寝室に連れ込んだ彼は、
「奥に入って」
無機質な声でそう告げる。
いつもとは逆の位置でベッドに横たわれば、彼は私を抱き寄せて安堵の溜息をついた。
「…ただいま」
消え入りそうなくせに、そのくせ甘苦しい声。
「おかえり」
「…うん」
彼の腕は、満足げに私の背を撫でる。
「なんかさ…、ここが俺の帰る場所なんだろうなとか、思ってた
今日、仕事しながら」
「帰る場所?」
「そう、このベッドの中
Aがいて、こうやって抱き合ってるこの場所が、俺の帰る場所?」
そのまま私の頬に唇を寄せては、大きく息を吐いたと思ったら、そのままそれは寝息に変って行った。
相変わらず、寝るの早過ぎだよ。
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りたわかめ(プロフ) - えりさん» ありがとうございます、多分、3ヶ月ぶりくらいに更新した気がします・・・。夏の間は死んでました(T^T) (2020年9月6日 21時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - ひろさん» 本日、移行しました!読んで頂けたら嬉しいです(/ω\*) (2020年9月6日 21時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - わかめさん、更新ありがとうございました。めちゃくちゃドキドキです。 (2020年9月5日 17時) (レス) id: 8591dd4797 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 久々の更新楽しみにしてました!!楽しく読ませていただいてます(*´ω`*) (2020年9月1日 22時) (レス) id: 57f2f46317 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - moraさん» わざわざ聞かせてみましたwwwいこう!ってwwww (2020年9月1日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りたわかめ | 作成日時:2020年2月7日 22時