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そのまま彼は目を閉じてしまう。

かなり疲れてるみたいで、髪が渇いてしまってもずっと目を閉じたままでいた。

もしかして寝ちゃってる?

ソファーに座ったまま、その下で脱力している彼の身体に背中からやんわりと抱きついてみた。

暖かい体。

「…何?甘えてんの?」

眠そうな彼の声。

甘えてるんじゃないよ、甘えさせてあげてるんだよ。

「俺、女の子にこんな抱きつかれ方されたの、初めてなんだけど」

その割には満足げな声。

彼は意外と初めてが多い。

今までどんな恋愛をしてきたんだろう。

もしかしたら、相手に何かをしてあげるばかりで、してもらうことが少なかったんじゃないかな。








「もう寝る?」

わざと耳元で聞いてあげたら、

「…寝る」

恥ずかしいのか少し照れ笑いを含みながらも、彼は素直に答えた。

…可愛い。

疲れてる時は、誰かに甘えたいよね。

彼の可愛い部分をもっと引き出してあげられたら、彼は楽になれるんだろうか。









本来なら今夜は、またひとつ進展があるんじゃないかと、微かに期待はしていたけど。

こんなに疲れてる彼を見てると、とてもそんな気にはなれないし、

疲れてることを隠さずに、素直にそれを見せてくれる彼に私は、愛おしさを爆発させていた。

…可愛いは無敵だ。

ベッドに入ってすぐに彼は、

「ごめんね」

といきなり、謝ってくる。

それは一体、何に対してのごめん?

「なかなか会えなくて、ごめん」

もう、今にも寝ちゃいそうな声でそんなことを謝ってくるなんて、

本当に、今夜の彼は可愛すぎる!








「まあ、無理すれば会いに行くことはできたんだけど
Aから来てくれたらいいのにって思って、わざと会わなかった」

訂正。

彼は可愛くなんかない!

可愛いふりをして、そんな策略を企んでたなんて。

しかも、まんまと私はその策略に引っかかってるわけで。

「長かったわ、2週間
俺的には、もっと早くに来てくれると予想してたのに」

彼は楽しそうに、思い出し笑い。

「でも本当に幸せだった、今日は
部屋に帰ってきたら、仄かにAの香りがして、その香りを辿ってたら寝室に着いて
そこにAがサプライズで隠れてるとか
なんか、幸せ過ぎてやばかった」

そんな彼の言葉に感動していたら、

「お正月は少し休みが取れるから、どこか旅行でも行く?」

そう言い残して彼は、勝手に夢の世界の住人となってしまった。

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りたわかめ(プロフ) - えりさん» ありがとうございます、多分、3ヶ月ぶりくらいに更新した気がします・・・。夏の間は死んでました(T^T) (2020年9月6日 21時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - ひろさん» 本日、移行しました!読んで頂けたら嬉しいです(/ω\*) (2020年9月6日 21時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - わかめさん、更新ありがとうございました。めちゃくちゃドキドキです。 (2020年9月5日 17時) (レス) id: 8591dd4797 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 久々の更新楽しみにしてました!!楽しく読ませていただいてます(*´ω`*) (2020年9月1日 22時) (レス) id: 57f2f46317 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - moraさん» わざわざ聞かせてみましたwwwいこう!ってwwww (2020年9月1日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りたわかめ | 作成日時:2020年2月7日 22時

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