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『みんな驚いてて、次々メッセージを送ってたんだけど、北山くんそれを既読スルーしててさ
で、さっきサラッと、「協力よろしくね」って送ってきて、またグループLINEが盛り上がってるとこ』

ああ…、なんかそのLINEの様子が目に浮かぶようだ。

さんざんみんなを騒がせておいて、放置しながら高みの見物をしてたに違いない。

『で、どうなの?』

「何が?」

『したの?もう』

いきなりそれ?

『どうだった?
夜の北山宏光ってどんな感じ?』

「どうって…」

『まだしてないってことはないでしょ?
北山くん、そういうの素早そうだし』

いや…、全然まだなんだけど。









『…は?してないの?』

正直に告白したら、朋は呆れたような溜息をつく。

「できないって!
あの北山宏光だよ?
ベッドの上で上半身裸になってくれるし、「好きにしていいよ」とか言ってくるんだよ?」

そう話しただけで、電話の向こうからは朋の悲鳴が聞こえてきた。

「想像してみてよ
藤ヶ谷太輔が上半身裸で、ベッドの上で…」

『それ以上言わないで!』

言葉の途中で朋からストップがかかる。

『それは無理だわ
出来ないわ、そんな状態じゃ…』

やっと理解してくれた?

私の置かれてる状況がどんな感じなのか。

『とにかく、北山くんと進展があったら、私に逐一報告すること
事細かにね』








『そうだ、大事なこと聞くのを忘れてた
Aが北山担だったってことは、もう告白した?』

「した…
実は大西先生と北山くんが鉢合わせしちゃって
北山くんに「ファンの子と付き合うのか?」みたいなこと聞いちゃって」

『それ修羅場じゃん!
北山くん、Aが隠してたこと、怒らなかったの?』

「それが不思議と、怒らなかった
むしろ喜んでたよ」

『なんか、予測不能な人だね、北山くんって
でもお陰でようやく、旦那に打ち明けられるわ
私が藤ヶ谷担だってこと』

まだ言ってなかったんだ?

てか、言えないよね。

ガチの北山宏光が絡んでる、この状況で。









朋との電話を切ってから、しばらく冷静に思い返してみる。

今日の先生との会話と、朋との会話を。

私はどうやら、とんでもない人と付き合うことになったらしい。

自分でもわかっていたはずなのに、全然わかってなかったみたいだ。

部屋の隅に追いやられていた、キスマイグッズの詰まったダンボール箱を開いてみる。

そこには私の知ってるはずなのに、全然知らない北山宏光がいた。

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りたわかめ(プロフ) - えりさん» ありがとうございます、多分、3ヶ月ぶりくらいに更新した気がします・・・。夏の間は死んでました(T^T) (2020年9月6日 21時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - ひろさん» 本日、移行しました!読んで頂けたら嬉しいです(/ω\*) (2020年9月6日 21時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - わかめさん、更新ありがとうございました。めちゃくちゃドキドキです。 (2020年9月5日 17時) (レス) id: 8591dd4797 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 久々の更新楽しみにしてました!!楽しく読ませていただいてます(*´ω`*) (2020年9月1日 22時) (レス) id: 57f2f46317 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - moraさん» わざわざ聞かせてみましたwwwいこう!ってwwww (2020年9月1日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りたわかめ | 作成日時:2020年2月7日 22時

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