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鍵が差し込まれる音がして、玄関のドアが開く。
「ただいま」
毎日そう言って帰ってきてるような雰囲気で、彼がひょこっと顔を出した。
先生に頭を下げると、当然のように昨日と同じ位置に座った彼は、
「何の話？」
無邪気さを装って、会話に入り込んでくる。
本当は何もかも知ってるくせに、何も知りませんよって顔をして。
「あのね、前に紹介してくれた職場のことで、会いに来てくれたんだって」
別に嘘をついてるわけじゃない。
ただ、私とやり直したかったって部分を、省略しただけ。
「ああ、前に言ってた南九州の？」
彼のその返しに、先生は驚いたように目を見張る。
…違うよ、先生。
この人、わざとですから。
「Aのことは大概知ってますよ、なんなら相談も受けてますけど？」って、先生にマウンティングしてるんだよ、
こんな可愛い顔をしながら。
「じゃあ、そろそろ帰るね」
先生は、いたたまれなくなったように席を立つ。
なのに、
「途中まで送ってくるわ」
とか言いながら、彼は先生と一緒に部屋を出て行ってしまった。
…待って。
何で北山くんが、送らなきゃいけないわけ？
意味がわかんないんだけど。
しかも彼はその後、１時間ほど帰ってこなかった。
ようやく帰ってきた彼は、またコンビニのおでんを持ち帰ってきて、
「お腹すいてない？」
なんて、すました顔をしてテーブルの上に広げ始める。
「何してたの？遅くない？」
「あー…、元彼さんと少し、話してた」
…まあ、そうだろうとは思ってたけど。
「話って何？」
「いろいろ？」
出たよ、いつものやつ。
私が本当に知りたい情報を、いつも目の前でチラつかせては焦らしてくる。
「何の話か教えてくれないなら、食べない」
ムッとしてそう答えたら、
「わかったって
教えてやるから食え」
とかって、何故か彼は機嫌よさげにビールを手渡してくれた。
「最初に俺から、Aと付き合うことになったことを話した」
「それで？」
「Aから聞きましたって言われて、そうしたら元彼さんも、「実は今日はAと関係を戻したくて来ました」って打ち明けられた
なんか、気持ちのいい人だね、元彼さん」
「でも、Aが俺と付き合うことには反対だって
Aが傷つくのが目に見えてるから、身を引いて欲しいって頼まれた」
ちょっと待って。
そんな重大なこと、そんな涼しい顔で話していいもの！？
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りたわかめ(プロフ) - えりさん» ありがとうございます、多分、3ヶ月ぶりくらいに更新した気がします・・・。夏の間は死んでました(T^T) (2020年9月6日 21時) (
レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - ひろさん» 本日、移行しました！読んで頂けたら嬉しいです(/ω＼*) (2020年9月6日 21時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - わかめさん、更新ありがとうございました。めちゃくちゃドキドキです。 (2020年9月5日 17時) (レス) id: 8591dd4797 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 久々の更新楽しみにしてました！！楽しく読ませていただいてます(*´ω｀*) (2020年9月1日 22時) (レス) id: 57f2f46317 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - moraさん» わざわざ聞かせてみましたwwwいこう！ってwwww (2020年9月1日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りたわかめ
| 作成日時：2020年2月7日 22時
