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電話は一旦切れたものの、また鳴り始める。

「電話、出ていいよ」

「いいって」

「大事な電話なんじゃない?」

仕方なく彼がポケットからスマホを取りだした時、チラッと見えてしまった。

ディスプレイに出た『由莉』っていう、女の子の名前。

それだけで私は、もう言いたいことも言えなくなってしまった。

彼が電話に出た隙に、

「じゃあ、私はこれで」

小声で頭を下げると、早足で脇道に入った。

彼が電話をしながら焦っている姿をチラリと振り返って、そのまま角を曲がって猛ダッシュ。

…ああ、私は一体、何をしてるんだろう。








.








3学期が始まってすぐのこと。

下校中、家の近くで知らない人に呼び止められた。

それは前に学校で彼と一緒にいるのを見かけた女の子で、

たぶん彼女が例の『由莉』さんなんだと思う。

「ちょっと話したいんだけど、いい?」

けっこう強引な感じで、彼女は私を近くの公園へ連れて行く。

気まずい感じで並んでベンチに座ると、

「知ってると思うけど私、宏光と付き合ってるんだよね」

そう切り出した彼女は、視線を地面に向けたままぽつぽつと話し始めた。

「宏光が東京の大学へ行くのは知ってた?」

そう聞かれて、私は無言で首を横に振る。

知らなかったよ、全然。

この間のお年始では、そんな話題一切出て来なかったじゃん。

「親には地元の大学へ行くって言ってるみたいだけど、彼、東京に出たいみたい」









「私も東京の大学を受験するんだけど、どうせ東京に住むなら一緒に住んじゃおうかって話になったのね?
私は宏光との将来のことも考えてるし
でも、宏光がそれは嫌だって言うから」

…さっきから、変な緊張感で胸のドキドキが止まらない。

これから私は、彼女に何を宣告されてしまうんだろうか。

「昨日の夜、何で一緒に住むのが嫌なのかを問い詰めたら、「許嫁がいるから、いい加減な形で同棲はできない」とか言われちゃって…」

そのまま彼女は、両手で顔を覆ってしくしく泣き始めた。

「許嫁って本当?
あなたは宏光と将来、結婚するの?」

涙目でそう訴えられた私は、もうそれで覚悟が決まった。

祖父同士のそんな約束で、彼の自由を奪っちゃいけない。

彼は彼の好きなように生きたらいい。

彼が東京の大学に行きたいというのも、きっと自由になりたいんからなんだと思う。

ならもう、私のするべきことはもう決まってる。

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Haru(プロフ) - moraさん» 私もかなり楽しんでるんだよぉ。でも、まさかわかめさんのみっくんがマネっていうのは発想ないなってときめいた!私もベタに攻めてく事も考えてたんだけど少し趣向を変えてみました。最後までお付き合いくださーい♪ (2020年1月24日 15時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - まきこさん» まきこさーん!みっくんマネもなかなかリアリティあるよね♪ドS発揮しててうずうず(笑)私のはどーなるのかしら(笑)ラブが芽ばえるかどうか、お楽しみに(^^)私なら1度だけで多分ドロドロになってて相手にされなくなるんだわ(笑) (2020年1月24日 14時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - 流布さん» 流布さーん!初コメ!嬉しいです♪やっと更新出来ました!それぞれのお話、楽しんで頂ければと思います(^^)またコメントお待ちしてますね! (2020年1月24日 14時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
mora(プロフ) - 同じ題材で、お二人の話が全然違うのが本当に最高!!!今回は立場も逆だなんて。なんか、お二人凄すぎ。 (2020年1月23日 22時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
まきこ(プロフ) - アイドルとマネージャー!まさかみっくんがマネージャーとは!!さすがわかめさん!!しかも売れないアイドルに厳しいとか、、最高じゃないですか(>_<)Haruさんの書くマネージャーもドライっぽいけど、、どうなってくのかなー私なら尻尾ちぎれるほど振って行くなぁ。 (2020年1月23日 21時) (レス) id: cfbbd37a93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りたわかめとHaru x他1人 | 作成日時:2019年9月13日 23時

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