無敵のスピカ

許嫁の彼 …Haru… 1 ページ1

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やんばい。久々に恋の予感っ。


あー、こんな感じほんとにいつぶりだろう、
同じ部署に異動してきた高橋先輩。


しかもっ、しかも、明日仕事終わり食事に誘われちゃったんだよぉっ、




ルンルンで明日着ていく服を選んでるとトントン、と部屋のドアがノックされた。



A〜、という声とともにガチャっとドアが開いて、そこにはいつものように宏くんが立ってた。




「宏くん、今日も家でご飯食べてくの？」


「おぉ。ごちになりまーす。」



言いながらベットの上に広げられた服の数々を見て
どしたんだ？これ、って。



ふっふっふっふ。
聞いてくれる？



「明日っ、デートっ。」


「･･･デートっておまえ、男出来たの？」


「出来てないけど、これからそうなりたいなって。」


「おまえ、最近男っ気なかったよな。」


「そうなのっ。ビビって来る人がいなくてさー、久々なのよっ。どんな人か聞く？聞くっ？」



うぜーけど、聞いてやるよ、とかどんな奴なの？とか聞いてくれるはず、と思ってウキウキ訊ねてみたんだけど･･･、






宏くんはなぜか無表情で私を見据えてきた。



そしてベットに置いてある服たちを雑に避けてそこに座る。





「･･･どしたの？」


「ちょっとそこ座れ、」




ただならぬ雰囲気に
ベットに座ってる宏くんの前にペタンと座った。



「おまえ、そろそろ男作んのやめろ。」


「はい？どういう意味？」


「おまえは俺と結婚する事になってっから。」






･･･はい？
ちょっとわかんない。






「俺はおまえと結婚してこの家に養子で入るの。決まってんのよ、俺らが子供の時から。許嫁？だって。」


「えっ、えっ？ちょっと待ってよ？聞いてないよ？」




確かに私は一人っ子で
家は事業をしてて跡取りがない事は切実だったんだけど。



私は全く関係のない所で就職したし
そのうち血縁じゃない誰かを取締役にするもんだ、と能天気に考えてた。






「待って！宏くんがうちの会社継ぐのっ？」


「そうなる。」


「だって、宏くん、今の会社は？？」


「初めからAの親父さんの会社継ぐって決まってる事だったから関連会社に出向って形で仕事させて貰ってたんだ。」




知らなかったんだけどっ？
なんで当人の私が蚊帳の外なわけっ？



しかも許嫁？
今時そんな言葉聞くなんて思いもしてなかった。







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