検索窓
今日:1 hit、昨日:36 hit、合計:217,546 hit

5 ページ27

「Aに告白された時は、もう諦めようかとか考えてたとこで。
正直、ちょっとグラッときたよね。」

なのに彼は、そんな私の悪口も通じてないように微笑みかけてくる。

…どんだけ大物なんだよ。

それすら悔しくて腹立たしい。

「Aのことは好きだよ。
可愛いし、ほっとけないし。
俺が彼女のことを好きじゃなかったら、承諾してたと思う。」

そんなこと言われて、私が納得するとでも思ってる?

納得はおろか、余計諦めきれないじゃん、そんなの。

「じゃあ、私とも付き合ってよ。」

とうとう涙が堰を切ってこぼれるのと同時に、私はとんでもないことを口走ってしまった。

「二番目でいいから、私といてよ。」









目の前の彼は、さっきまで幸せそうな顔をしていたくせに、みるみるうちに表情を硬くしていく。

「…何それ。」

怒るよね、普通は。

私だって、そんな失礼なことを言われたら腹が立つもん。

「Aはいいわけ?
俺にそんな風に扱われて」

「…そんな風って、どんな風?」

「都合のいい女ってことじゃん、それ。
俺が暇な時に呼び出されて、恋人ごっこみたいなことをするわけ?」

その声は身を切り裂くほど恐ろしくて、私はその目を直視することはできずにいた。

だけど、もう失恋でぐちゃぐちゃになっている私の脳内は、

「いいよ」

そう言えって、指令を出すんだ。

「その彼女で満たされない部分を、私が補ってあげる」

もうどうなってもいい。

彼が手に入るのなら、どんな形ででも。









「わかってんの?
それ、俺だけが得するやつなんだけど」

わかってるよ、ちゃんと。

得をするのは彼だけだってことも。

だけどそれって、いつか自分に跳ね返ってくるんだよ。

跳ね返ってきて、その彼女とも別れてしまえばいい。

私が頷いたのを見て、彼は伝票を持って立ち上がった。

「ここ、出ようか」

会計をしている彼の背中を見つめながら思う。

こんなことを提案した私にも、その報いは訪れるわけで。

だけど私は報いを受けてもいいから、彼と繋がっていたいんだ。









店を出てすぐに、彼は私の手を取った。

今まで一度だって、手なんか繋いでくれたこともなかったのに。

「じゃあ、行く?」

「どこに?」

「ホテル」

無言で驚いてる私に、彼は冷たく言い放った。

「二番目なんだから、彼女が与えてくれないものをAが与えてくれるんじゃなかった?」









END

DON'T WANNA DIE …Haru…1→←4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (360 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
967人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Haru(プロフ) - moraさん» 私もかなり楽しんでるんだよぉ。でも、まさかわかめさんのみっくんがマネっていうのは発想ないなってときめいた!私もベタに攻めてく事も考えてたんだけど少し趣向を変えてみました。最後までお付き合いくださーい♪ (2020年1月24日 15時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - まきこさん» まきこさーん!みっくんマネもなかなかリアリティあるよね♪ドS発揮しててうずうず(笑)私のはどーなるのかしら(笑)ラブが芽ばえるかどうか、お楽しみに(^^)私なら1度だけで多分ドロドロになってて相手にされなくなるんだわ(笑) (2020年1月24日 14時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - 流布さん» 流布さーん!初コメ!嬉しいです♪やっと更新出来ました!それぞれのお話、楽しんで頂ければと思います(^^)またコメントお待ちしてますね! (2020年1月24日 14時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
mora(プロフ) - 同じ題材で、お二人の話が全然違うのが本当に最高!!!今回は立場も逆だなんて。なんか、お二人凄すぎ。 (2020年1月23日 22時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
まきこ(プロフ) - アイドルとマネージャー!まさかみっくんがマネージャーとは!!さすがわかめさん!!しかも売れないアイドルに厳しいとか、、最高じゃないですか(>_<)Haruさんの書くマネージャーもドライっぽいけど、、どうなってくのかなー私なら尻尾ちぎれるほど振って行くなぁ。 (2020年1月23日 21時) (レス) id: cfbbd37a93 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りたわかめとHaru x他1人 | 作成日時:2019年9月13日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。