検索窓
今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:478,899 hit

9 ページ9

「頼み過ぎだって」

そう言ってしまうくらい、食べても食べても減らない料理を前に、もう既に私はグロッキー状態になってぃた。

「もう無理…」

そのまま床に倒れ込んだ私を横目に、彼は何本目かのビールを開けては、のんびりと食べ続けている。

「ベッドで寝たら?」

彼の方を向いてラグの上に横になっていたら、もうこのまま寝れちゃいそうな気持ちになってくる。

「ちょっとだけこうしてたら、また回復するから」

とか言ってはみるものの、本当に眠い。

「傷によくないんじゃない?」

「大丈夫
退院してすぐ、シャンプーの許可も下りたくらいだし」









「さっき見たけど、傷もわかんなかった」

「さっき?」

「ネックレスを付けた時」

…そっか、さすがに目に入っちゃうよね。

でも、髪で隠れてるから傷口はわかりにくいみたい。

「とりあえずベッドで寝な」

あんまり彼がうるさいから、仕方なくベッドに乗って横向きに横たわった。

彼はベッドにもたれかかって、ビール片手にいろいろと私に話しかけてくる。

「そういえば霞さんが驚いてた
俺とAちゃんが連絡取り合ってるって、知らなかったって」









「飛行機の中でもずっと、霞さんとLINEしてたんだよね
Aちゃんの様子を教えてもらったりだとか」

まあ、そうだろうとは思ってた。

退院後、お礼のメッセージを送っても、

『退院おめでとう
ゆっくり休んで』

的な、あっさりとした返事しか来なかったから。

きっと霞さんから、いろいろ情報を入手してるんだろうなって。

「俺とAちゃんが2人でよく遊んでるって話したら、なんか喜んでた」

…まあ、霞さんは私が北山宏光のファンだってことを知ってるから。

だからテンションも上がっちゃたんじゃないかな。

「だけど、いろいろと釘を刺されたけどね
絶対に手を出すなとか、弄ぶなとか
あと、絶対にAちゃんを傷つけるなって」









「なんか…、それ聞いてから、
いろいろ考えちゃって、Aちゃんとのこと
あんまり俺と会わない方がいいんじゃないのかな、とかも思ったり」

「…何で?」

「俺じゃあ、Aちゃんのことを幸せにはしてあげられないから」

私に背を向けたまま、彼はそんなことを言い始めた。

「俺はAちゃんといて楽しいし、癒されてるけど、Aちゃんはどうなんだろ、とか思うよね」

10→←8



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (761 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1801人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りたわかめ(プロフ) - えぴさん» ありがとうございますm(__)m (2022年1月2日 21時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
えぴ - ほんとにリアルすぎて最高です! (2022年1月2日 18時) (レス) @page21 id: 06d564cdce (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - えりさん» 本日、移行いたしました。えりさんをドキドキワクワクさせられますように(*'ω'*) (2020年2月7日 23時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - renaruriさん» 更新いたしました。ちょっと急展開になってるかもです(/ω\) (2020年2月7日 23時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - moraさん» やったー!いい感じに予想を裏切れてる?私w moraさんの予想を裏切れるよう頑張ります(*'ω'*) (2020年2月7日 23時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:わかめ | 作成日時:2019年9月28日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。