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霞さんの家に着いた頃には、もう０時を軽く回っていた。
家にはもう、いつものメンバーが到着していて、
「あの子を巻くのが大変だった」
とか、
「俺らの乗ったタクシーを追いかけてきた」
とか、彼女の話題で持ち切りだった。
話の内容からすると、どうやら彼女からは無事逃げ切ったらしい。
「たまにいるんだよな、あんな子」
なんて話も出てきたから、こういうことはよくあることらしい。
アイドルとは、プライベートまで脅かされる大変な仕事なんだね。
最初は男友達の輪の中にいた彼も、酔いが回ってきた頃には、しれっと隣に座ってきた。
しかも、
「庭に出ない？」
とか、意地悪い顔をして訊いてくる。
私が返事をしないでいたら、
「先に行ってる」
なんて言い残して、１人でビール片手に庭に出てしまった。
こういうとこだよ。
北山くんの小狡いところは。
私が絶対来るって思ってるよね？
…まあ、行くんだけど。
仕方なく私も、さりげなさを装いながら庭に出た。
室内から死角のウッドデッキの隅に座って、煙草を吸ってた彼は、私が来たのに気付いて片手を上げる。
「お疲れ様」
隣に座った私の缶ビールと自分の缶ビールをカチンと合わせて、まだ半分以上残っている煙草を携帯灰皿に押し込んだ。
「大変だったね、今日
ああいうの、よくあるの？」
「たまにね
店で偶然会った女の子だとか、どこにでもついてくるファンの子だとか」
「どうしてんの？そういう時」
「完全無視か、店を出るかな
だから自然と会員制の店とか、宅飲みばっかになるんだよね」
室内からの微かな光に照らされた彼の横顔は、異様なくらいに綺麗で、私はぼんやりとその横顔に見とれていた。
さすがの彼もその視線に気付いて、
「…何？じっと見てきて」
くすぐったそうに笑いながら、肩をぶつけてくる。
「二次会であの子に追いかけられてた時に、Aちゃんの席に遊びに行ったじゃん？」
「うん、来たね」
「あれ、何でだと思う？」
「何で？わかんない」
「あれね、当てつけ」
彼は悪巧みでも思いついたかのように微笑みながら、ビールを一気に呷る。
「当てつけ？」
「俺とAちゃんは普通の関係じゃないって、みんなに当てつけたかった」
それって、くすくす笑いながら言うこと？
北山くんみたいな職業の人は、そういうこと一番しちゃいけないんじゃなかった？
「だから今も、２人きりになりたくて
こうして庭まで呼び出してみた」
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りたわかめ(プロフ) - えぴさん» ありがとうございますm(__)m (2022年1月2日 21時) (
レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
えぴ - ほんとにリアルすぎて最高です！ (2022年1月2日 18時) (レス) @page21 id: 06d564cdce (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - えりさん» 本日、移行いたしました。えりさんをドキドキワクワクさせられますように(*'ω'*) (2020年2月7日 23時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - renaruriさん» 更新いたしました。ちょっと急展開になってるかもです(/ω＼) (2020年2月7日 23時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - moraさん» やったー！いい感じに予想を裏切れてる？私w moraさんの予想を裏切れるよう頑張ります(*'ω'*) (2020年2月7日 23時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2019年9月28日 20時
