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2019/06/10 ページ25

その日の裕太は、今まで見たことないくらいに酔っていて。

タクシーでマンションまで送り届けてあげたんだけど、

「Aさん、何で俺の住所を知ってんの?」

不思議そうな顔でそう訊ねられて、回答に困る。

「さっき言ってたじゃん」

なんて誤魔化しながら、タクシーから降りた裕太に手を振った深夜0時。

いつもなら一緒に降りてたよね。

通り過ぎてく懐かしい街並みを眺めながら、やっぱり私は、裕太に会うんじゃなかったと痛感していた。








週明け、出社したら志穂ちゃんが転がるみたいにして私に近寄ってくる。

「金曜日、どうでした?」

「何が?」

「同期会だったんですよね?」

「そうだけど」

「玉ちゃんと飲んだんですよね?」

志穂ちゃんの勢いがすごくて、つい椅子を後ろに引いてしまう。

「宮田くんもいたよ」

「何人で飲んだんですか?」

「3人だけど」

そう言った途端に、志穂ちゃんの表情があからさまに曇った。

…あれ?、何かよくないことでも言っちゃった?

「そうですか」

急に他人行儀な態度になった彼女は、そのまま自分の席に戻って行ってしまう。








だけど、昼休みが終わった頃、志穂ちゃんは真っ赤に泣き腫らした目で自席に戻ってきた。

「どうしたの?」って聞いてあげればよかったんだろうけど、彼女の周りには近寄り難いオーラが漂っていて、うかつに声を掛けられる雰囲気ではなかった。

だけど、しばらくして給湯室に行こうと席を立った時、志穂ちゃんに呼び止められてしまった。

「(名前な)さん、ちょっといいですか?」

真っ赤な目でそう訴えられたら…、断れるわけないよね。

連れ込まれるようにして入った給湯室の中、志穂ちゃんはいきなり派手に泣き始める。

そして、しゃくりあげながら私に訴えてきた。

「今度から玉ちゃんと飲み会をする時は、私も誘ってください」








聞けば、裕太にキツいことを言われたみたいで。

たったそれだけのことで泣けるなんて、志穂ちゃんは幸せな女の子なんだな。

やっぱり私は、志穂ちゃんをうらやましいと感じてしまう。

「玉ちゃんが、あんなにひどいことを言う人だなんて思わなかったです」

そのくせ彼女は、私が一番聞きたくもない、少女マンガのライバルみたいな台詞を口にした。

「それでも私は、玉ちゃんが好きなんです
Aさん、協力してもらえませんか?」

まさかこんな台詞、自分が言われるなんて、夢にも思わなかった。

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りたわかめ(プロフ) - くるりさん» まだ読んでいただいてたらありがたいです。地味に更新しました(/ω\) (2021年6月15日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
くるり(プロフ) - キュンキュンしたり切なくなったりしながら読ませていただいてます!これからの展開がとても楽しみです。更新大変だと思いますが無理せず頑張ってください!応援してます! (2020年8月19日 9時) (レス) id: e6324db40e (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - ゆりかさん» こちらこそ読んでくださってありがとうございます!実は本当はもっと悲しい設定にする予定だったんですが、書いてるうちにこんな感じに仕上がってしまいましたwこれからもどうぞよろしくお願いします<(_ _)> (2020年3月17日 2時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりか(プロフ) - いつもいつも楽しく読ませて頂いてます!前の記憶を覚えていないもどかしさであったり、悲しいところもあったり、キュンキュンしたり、本当に大好きなお話です!本当に面白いです!次回の更新も楽しみにしています(^^) (2020年3月9日 5時) (レス) id: 6a4601e7a5 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - みなさん» お返事遅くなりまして、申し訳ございませんでした!記憶喪失になっても、本能で好きになってしまう的な話が書きたくて(/ω\*) (2020年1月13日 21時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2019年10月27日 16時

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