7 ページ7
「ガヤさん、あれ貸してあげてもいい?
試作品のヤツ」
「いいけど…
サイズが合うかな」
何故か2人は急に慌ただしく廊下の段ボールを開けたり、2階の倉庫に移動しては、いろいろな物を引っ張り出してくる。
「とりあえず、これ着てみて」
健永さんに渡されたのは淡い水色の、シルエットの綺麗なワンピースとジャケットと、滑らかな素材の白いブラウスだった。
言われた通りにバスルームで着替えてる間も、2人はバッグだの靴だのをバタバタとかき集めては、次々とリビングのテーブルへ並べていく。
驚いた。
この部屋には女の子の服やアイテムがこんなにたくさんあるんだ。
それよりも驚いたのは、2人があまりに生き生きと動き回っていることだ。
スーツは私の体には少し大きくて、2人は私の両脇に立って器用に私の体に合うように詰めていく。
その後はバッグと靴選び。
用意された靴は少し大きくて、インソールや詰め物をして履けるようにしてくれた。
まさに至れり尽くせり。
「入学式、何時から?」
「10時からで、9時から受付で…」
そう言いかけてんのに、2人は壁の時計を見ては、
「送ってく
ちょっとお直しに時間がかかっちゃったから」
私の背中を押すようにして、玄関へと急かした。
近くの駐車場に置かれた、赤と白のワーゲンの後部座席に押し込まれて、
車は裏道を走り抜けていく。
「今の時間は、道が混んでるから」
って、助手席の健永さんは暖かいペットボトルのミルクティーを手渡してくれた。
いつの間に買ったんだろ。
運転席の太輔さんにも缶コーヒーを手渡しては、自分は甘めのミルクココアを飲み始めた。
「あの…、ありがとうございました」
とりあえず、お礼を言ってみる。
だって、あまりの勢いにあっけに取られて、きちんとお礼を言う間もなかったから。
「いいって
こういうのが俺らの仕事だし
それになんか楽しかったから」
健永さんはそう言ってくれるけど、今日も朝まで仕事をしてたはずだから眠いはずなのに。
2日前にいきなり現れた得体のしれない妹のために、ここまでしてくれるものなのかな。
「大学の入学式って、多分暗めのスーツの子が多いと思うんだよね
そんな中、綺麗な色のスーツを着ていくと目立つと思うよ
最初が肝心なんだから、人より一歩前に出ないとね」
そう言って健永さんは、眩しそうに笑って見せた。
2028人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふう(プロフ) - はじめまして!血液型のお話好きなんですが、特にこのAB型のお話が大好きです(^^)他にも沢山お話があって投稿大変だと思いますが、続きも楽しみにしています!! (2019年2月17日 23時) (レス) id: 71f814ca4b (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 夏小町さん» はじめまして、コメントありがとうございますm(_ _)m…って、はじめましてちゃうやーーん!あの節は本当にありがとうございました!小町さんの好きな太輔さんが書けるよう、頑張ります! (2019年1月16日 22時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - キスマイさん» はじめまして、コメントありがとうございますm(_ _)mときめいたとか!!!ありがとうございますm(_ _)mまだこの先の話が全く浮かんでない状態て、この先どうなるのかわかりませんが、引き続きよろしくお願いします! (2019年1月16日 22時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
夏小町(プロフ) - はじめまして(某所では別HN○○小町でお話したことあります)。いつも本当に楽しみにしています。太輔担なのでAB型男子を心待にしてました。この先どう恋愛に発展していくのか、毎日楽しみにしてます。 (2019年1月14日 9時) (レス) id: f794986061 (このIDを非表示/違反報告)
キスマイ(プロフ) - はじめまして!AB型の二人のお兄ちゃんすごくときめきました(*´ω`*)服のお仕事もとても似合いますしこの先どうなるのかとても楽しみです。これからも更新楽しみにしています! (2019年1月14日 8時) (レス) id: 64045badf0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:わかめ | 作成日時:2018年12月26日 1時