14 ページ14
「でも、本当に妹じゃなかったら?
私のこと追い出すよね?」
「まさか!
もし親父と血が繋がってなくても、絹子さんの娘ならもう妹同然だと思ってるから
だから俺も遠慮しないし、Aちゃんも変な遠慮なんかしなくていいから」
健永さんはそんな優しいことを言ってくれるけど、太輔さんはどう思ってるのかな。
私が他人だと知った途端、すげなく追い出されそうな気がしてならないんだけど。
「それよりあのコンビニ、いつも変なお客さんがいない?」
…ああ、あの人のことだな。
雑誌コーナーで延々と立ち読みしたり、品出ししてる店員にやたらと絡んできたり。
いつも9時頃に現れるから、店員の中では「9時の人」ってこっそり呼んでるんだけど。
「今日もやたらとAちゃんに話しかけてきてたじゃん
大丈夫なの?」
「大丈夫だよ」
そう言ってはみたものの、本当はあまりいい状況ではない。
私は何故かその人のターゲットになってるみたいで、ひどい時は他のお客さんがいるのにレジを占領するかのように長話をされてしまったり。
今日だって、
「今日も10時上がり?」
とか時間指定で聞いてくるから、怯えてたんだ。
でもそんなことを話したら、心配症の健永さんのことだから毎晩店まで迎えに来ちゃうだろうし。
そんな話が出た翌日、バイト帰りにいきなりその人と出くわしてしまった。
「今帰り?」
「歩きってことは、家は近いの?」
って、さんざん質問攻めをされて。
私は怖くてずっと下を向いて歩いてたんだけど、彼は隣で同じように歩きながら、ずっと私に質問を浴びせてくる。
「大学生?」
「どこの学校?」
「一人暮らし?」
そう聞かれたところで、怖くなって走り出してしまった。
もし私が一人暮らしなんて言ったら、ついて来そうな勢いだったから。
「何で逃げるの?
待ってよ!」
彼は必死で追いかけてくるけど、ごめんね、
私、高校時代は陸上部で中距離の選手だったんだ。
しばらく走って角を曲がったところで、迎えに来てくれた健永さんとぶつかりそうになった。
「どうしたの?Aちゃん」
息が上がって返事のできない私を見て、健永さんは直ぐに察したらしく、
向こうの方から走ってくる「9時の人」を見つけては顔を顰める。
「もしかして、つけられてた?」
無言で何度か頷くと、健永さんは私の手を引いて走り始めた。
また走るの?
もうクタクタなんですけど!
2028人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふう(プロフ) - はじめまして!血液型のお話好きなんですが、特にこのAB型のお話が大好きです(^^)他にも沢山お話があって投稿大変だと思いますが、続きも楽しみにしています!! (2019年2月17日 23時) (レス) id: 71f814ca4b (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 夏小町さん» はじめまして、コメントありがとうございますm(_ _)m…って、はじめましてちゃうやーーん!あの節は本当にありがとうございました!小町さんの好きな太輔さんが書けるよう、頑張ります! (2019年1月16日 22時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - キスマイさん» はじめまして、コメントありがとうございますm(_ _)mときめいたとか!!!ありがとうございますm(_ _)mまだこの先の話が全く浮かんでない状態て、この先どうなるのかわかりませんが、引き続きよろしくお願いします! (2019年1月16日 22時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
夏小町(プロフ) - はじめまして(某所では別HN○○小町でお話したことあります)。いつも本当に楽しみにしています。太輔担なのでAB型男子を心待にしてました。この先どう恋愛に発展していくのか、毎日楽しみにしてます。 (2019年1月14日 9時) (レス) id: f794986061 (このIDを非表示/違反報告)
キスマイ(プロフ) - はじめまして!AB型の二人のお兄ちゃんすごくときめきました(*´ω`*)服のお仕事もとても似合いますしこの先どうなるのかとても楽しみです。これからも更新楽しみにしています! (2019年1月14日 8時) (レス) id: 64045badf0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:わかめ | 作成日時:2018年12月26日 1時