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「そこまで行っちゃう?
Aのネガティブ妄想。」

なのに、先生はそんなことを言いながら笑っちゃってるし。

「何で偶然元カノに会っただけで、そこまで考えちゃうかな。」

「…今、めんどくさいって思ってるでしょ?」

「思ってる。
最高にめんどくさい。
でも最高に愛されてんなーって思ったらなんか…、逆に愛おしいわ。」

先生こそめんどくさいよ。

こういう時って普通、怒るもんなんじゃないの?

彼女が過剰なネガティブ妄想で困らせてるっていうのに。









「もしかして、俺がいない間に優に何か言われた?」

…ようやく気付いたか。

遅いよ、先生は。

「言われた。」

ここは正直に教えてあげる。

ここんとこ、はっきりさせておかないと受験勉強にだって集中できないし。

「何て?」

「私とは受験のためだけの交際なんだから、春になったら裕太のこと返せって。」

「…は!?そんなこと言ったの?あいつ。」

先生はガチで驚いて、そのあと呆れたように溜息をついた。

「なんだそれ。
初耳なんだけど。
受験のための交際とか、俺そんなに器用じゃないから。」









「てか、受験生に対して心を乱すようなことを言う優に対して、ますます嫌悪感しか湧かねーわ。
何勘違いしちゃってんの?的な。」

「でも優さん、夏の花火大会の頃は裕太といい雰囲気だったって言ってたよ。
元サヤに戻りそうな感じだったって。」

「…は?」

「確かに、スーパーで会った時の2人はいい雰囲気だったもんね。」

ここは、わざと嫌味を挟んどく。

全部ぶちまけちゃったことで、ほんとはだいぶ気持ちは楽になってきてるんだけど。

「マジか…。
あの時だって、買い出しに行くっていう俺にあいつが強引について来たんだけど。」

「ほんとにそれだけ?」

「ほんとだって。
…てか、優に厳しく言っとかないと。
Aに変なこと言うなって。」

「嫌だ。
言わなくていい。」

「何で?」

「優さんと連絡取ったり会ったりしてほしくないから。」

その言葉で、先生の表情がどんどん柔らかくなっていくのがわかった。

目を細めながら、やんわりと私を抱き寄せて。

「今、優に対してめちゃくちゃ腹が立ってたけど、一瞬で回復したわ。」

「何で?」

「Aが可愛いこと言うから。
ほんとは模試が終わるまではしないでおこうと思ってたけど…。」

そう言って、本当に愛しそうに、胸が苦しくなるようなキスをひとつくれた。

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わかめ(プロフ) - コメントありがとうございました!返信が二か月も遅くなりまして、大変申し訳ないですー(*'ω'*)これからはコンスタントにそこそこ更新できそうです。どうぞよろしくお願いします(*'ω'*) (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わかめさん» ずっと更新待ってました!!!今から読みます!!! (2018年1月7日 8時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» いつもいつも、更新遅めで申し訳ないです(/ω\)引き続き読んでいただけたらうれしいです(*'ω'*) (2018年1月7日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わああああ〜〜〜ありがとうございます (2018年1月2日 22時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» お待たせいたしました。先程更新いたしました。ご期待に副えるかどうか心配ですがwwwこれからもどうぞよろしくお願いしますm(__)m (2018年1月2日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2017年12月29日 22時

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