127 ページ27
先生は最後まで渋ってた。
「やっぱ無理だわ。」
とか、
「付き合ってるわけだけど、俺らの関係って一応、先生と生徒だからさ。」
とか、往生際の悪いことを言ってたけど。
「せっかくクリスマスの夜なのに。」
わざと、しょんぼりして見せたら、
「わかったって。
その代わり、離れて寝ろよ?」
だけど先生のベッドってセミダブルじゃん。
離れて寝るなんて無理だって。
いざベッドに入れば、先生は私を奥に押しやり、自分は落ちちゃうんじゃないかってくらいのギリギリの場所で背を向けてしまう。
普通セミダブルに2人で寝たら、体の一部が触れ合いそうなもんだけど、肩すらも当たらない。
しかも無言だし。
「今夜はサンタさん来るのかなあ…。
プレゼントが枕元に置いてあったらいいのに。」
独り言みたいに呟いてみる。
てっきり返事はないと思ったのに、
「…もう来たじゃん、サンタさん。
赤本を大量に持って。」
先生の声が寝室に低く響く。
「あれはサンタさんじゃないし。
サンタさんは、その子の本当に欲しいものを枕元に置いててくれるんだよ?」
「赤本がAの欲しいものじゃなかったっけ?」
「クリスマスに赤本をもらって喜ぶ子なんていないよ。」
先生は私に背中を向けたまま、それでも私のピロートークに付き合ってくれる。
「Aは今までクリスマスに何もらってきた?」
「小学生の時は、サンタさんに手紙を書いてお母さんに渡してた。
いろんなもの、もらったよ。
ゲームソフトとか、おもちゃとか。
でも中学からはなくなったけど。」
「中学生でもクリスマスプレゼントは親から渡されるもんなんじゃないの?」
「中学の時からだから。
うちの親が移住したのは。
それからはクリスマスはしてないかな。」
そこからしばらく沈黙が続き、
「…来年からはちゃんとクリスマスしてやるから。」
先生の優しい声が聞こえてきた。
その声を聴いてたら顔が見たくなって、先生の腕を強引に引っ張った。
だけど強情な先生は意地でもこっちを向かないって風で、全然動かない。
「こっち向いてよ。」
「やだ。」
「何で?」
「変な気分になったら困るから。」
「今夜はクリスマスなのに、1人で寝るの?私。」
「一緒に寝てんじゃん。」
「背中を向けられて?
クリスマスなのに寂しいんだけど。」
1171人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わかめ(プロフ) - コメントありがとうございました!返信が二か月も遅くなりまして、大変申し訳ないですー(*'ω'*)これからはコンスタントにそこそこ更新できそうです。どうぞよろしくお願いします(*'ω'*) (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わかめさん» ずっと更新待ってました!!!今から読みます!!! (2018年1月7日 8時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» いつもいつも、更新遅めで申し訳ないです(/ω\)引き続き読んでいただけたらうれしいです(*'ω'*) (2018年1月7日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わああああ〜〜〜ありがとうございます (2018年1月2日 22時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» お待たせいたしました。先程更新いたしました。ご期待に副えるかどうか心配ですがwwwこれからもどうぞよろしくお願いしますm(__)m (2018年1月2日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:わかめ | 作成日時:2017年12月29日 22時