GATE １８ →

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夕方になると、彼女は仕事があるらしく、早々に下校してしまう。

でも課題が終わらない私は、相変わらず居残り。

先生は今日の課題の採点をしながら、パソコンにデータを打ち込んでる。

何も会話はなくて静かな部屋の中、先生の打つキーボードの音だけが響いてる。








「…どうだった？今日。
広川とうまくやれそう？」

その質問の答えを出すには、いつもより長い間が空いてしまったように思う。

何て答えていいか、迷ってたから。

正直に今日言われたことを打ち明けるかどうか。

結局私は、

「…うん。」

って、適当に返事をすることにした。

なんか…、今日は無理なんだ。

気持ちの整理がつかないっていうか。









だけど先生は、

「嘘つき。」

そう言って、私のおでこを指で弾いた。

「なんか言われたんだろ？あいつに。」

そう聞かれても、私は答えない。

「そんな顔してるわ、さっきから。」

「…そんな顔って何？」

不満げに顔を上げれば、先生は心配そうに私の頭を撫でた。

「初めてAと会った頃の表情に戻りかけてる。
なんか…、心閉ざしちゃってます、的な？」

先生はいつまでも撫でるのをやめないから、

「学校でそんなことしちゃいけないんだよ。」

なんて、たしなめてたけど。

そんなことお構いなしって顔をして、先生はこう言うんだ。

「今夜、うち来る？
甘やかしてやってもいいけど？」

って、意地悪な言葉とはうらはらの、優しい目をして。









制服のまま先生の部屋に行くのは2度目。

この間みたいに時間差で、後から部屋に入れば、

玄関先で迎え入れてくれた先生は、大きく手を広げた。

「ほら、おいで。」

って、まるで子どもにするみたいに。

「子供扱いしないで。」

「してほしいくせに。」

先生は私の腕を掴むと、そのまま強引に胸に抱き込んだ。

腕の中の私は不貞腐れた顔をしてるけど、ほんとは満足してる。

ほんとに、こうして欲しかったから。








部屋に入って、ピザのデリバリーを頼んだ先生は、

ソファーの上で、私を自分の膝の上に乗せてしまった。

しかも横向きに。

「…何してんの？」

「甘やかしてる。」

「…何のために？」

「Aが甘やかして慰めろって顔してるから。」

そんな顔してる訳ないじゃん。

先生の首に腕を回して、肩先に頬を乗せれば、居心地が良すぎてこのまま動きたくなくなる。

「で？
何言われた？広川に。」

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