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電車はどんどん都会を通り過ぎて、今度は和やかな田園風景が見えるようになってきた。

そのうちに電車は海岸線を走るようになり、キラキラと太陽に反射して輝く海が延々と続いてるのが見える。

でも海には行きたくない。

玉森先生のことを思い出すから。








とうとう電車は終点まで来てしまい、そこそこ都会な駅で降ろされてしまった。

制服姿の今の私が行ける場所って、どこだろう。

今頃、学校はどうなってるかな。

もしかして、私が登校してないのも気付いてなかったりして。

これからどうしよう。

私はあの学校で、特待生を続ける価値はあるのかな。







駅前のファストフードに入ろうか迷っていた時、誰かに声をかけられた。

「学校は?」

って、いきなり。

「生徒証見せて。」

そう言われて、その人がようやく私服警官だとわかったけど。

2人がかりで行く手を阻まれてしまって、そのまま近くの駐在所に連れて行かれてしまった。







「通信制高校だから、毎日学校に行かなくてもいいんです。」

って、何度言ってもわかってくれなくて、結局は学校に連絡されてしまった。

自宅からも学校からもかなり離れてる場所で、午前中からウロウロしてる私は、やっぱり補導対象らしい。

数時間後、

迎えに来たのは、やっぱり玉森先生だった。







駐在所を出た後、先生は私を責めたりなんかしなかった。

だけど、一切口は聞いてくれない。

私の前を早足で歩いてるだけ。

もうこれは、見捨てられたな。

補導もされたし、特待生も取り消しだと思う。

このまま先生と、あの長い距離を無言のまま電車で帰るなんて地獄じゃん。

先生はこちらを振り返りもせずに早足で歩いてるから、

このままあの地下街へ逃げ込んでも、気付かないんじゃないかな。

だけど、地下街の入口の前で立ち止まったら、先生は急に振り返った。

「また逃げる気?」

って、怖い顔して。








「この先の駐車場に車停めてるから。」

淡々とそう言って、また先を歩き出した。

車で先生と2人きりとか…。

地獄でしかないんだけど。

ずっと無言なんだろうな。









それでも私は先生の言うことを聞いて、車に乗った。

後部座席に座ろうとしたら、

「今日は助手席でいいから。」

って、やっぱり怖い顔をして言うから、それも素直に従った。

「今日は途中で降りたら、許さねーから。」

最初にそう、釘を刺されて。

そして、1時間の地獄のドライブが始まった。

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わかめ(プロフ) - ゆうめろさん» ありがとうございます(/ω\)ようやく戻って来れましたー。来年の春から受験生ですか!頑張ってくださいね!!私も先生の鬼合宿で卒論を仕上げたかったです…www (2017年12月30日 0時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうめろ(プロフ) - わかめさん!おかえりなさい!ツイッターで卒論提出したと拝見したのでもう少しかなとニヤニヤしながら期待してました笑来年の春からは私も受験生になるので先生との鬼合宿行きたいです笑笑これからも応援しています!更新頑張ってください! (2017年12月26日 20時) (レス) id: 9233dbcd5e (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 玲さん» ありがとうございます(T△T)実は卒論にかかりきりで、ようやく提出できたので、恐る恐る戻って参りました。また他の話もぼちぼち更新しますので、またよろしくお願いします♪♪ (2017年12月23日 23時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - しばらくお休みされていたので心配でした。更新待ってました!嬉しいです!他の作品も更新されていくのでしょうか。ショートケーキとフランボワーズが特に大好きなので楽しみにしています。 (2017年12月23日 23時) (レス) id: b7c4bcac2b (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 環季さん» 胸キュンとか、ありがとうございます(/ω\)書いてる方も現実逃避しながら書いてますwww (2017年8月4日 23時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2017年7月2日 2時

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