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あんなことがあった後の月曜日は、本当に憂鬱になる。
本当なら学校なんか行きたくない。
だけど見栄っ張りで負けず嫌いな私は、そんな気持ちに鍵をかけて、しかも鉄仮面のように分厚い仮面をつけて登校する。
「おはようございます。」
丁寧に挨拶すれば、玉森先生は一瞬だけ間をあけて、
「…おはよう。」
って返してきた。
「これ、週末課題です。」
自分の言葉が敬語になってるのに気づく。
敬語だと距離が一気に開いちゃうから、余計に気まずくなっちゃうよね。
それを先生に悟られないように、口調を元に戻す。
「今日の課題は?」
そう聞けば、先生は返事もせずに、いつもの向かいの席に腰かけた。
「座って。」
って偉そうに私に指示して。
座った途端に、
「この間の、何?」
って、切り出された。
…やっぱりその話、するんだ?
できればその話には触れずに、このまま何事もなかったかのように過ごしたかったのに。
「何で急に逃げ出したりするかな…。」
「逃げてないよ。」
「初めてだわ。
信号待ちで予告もなしに降りられたのなんか。」
「したよ?
ちゃんと予告。」
「あんなの予告のうちに入らねーし。」
正直…、こんな会話を続けてるのも苦痛で。
だからどうしても、やめたかった。
「先生。
勉強始めよう。
実力テスト、来週だし。」
急に話題を変えれば、先生は不機嫌そうに眉間に皺を寄せる。
「そう?
はっきりさせとかないと、勉強にも集中できないんじゃない?」
「集中できる。
今の私、すごい集中力だから。」
そう言って笑いかけてんのに、先生はちっとも笑い返してくれない。
眉間に皺を寄せたまま。
「お前いい加減にしろよ?」
先生がそう言いかけたところで、誰かが進路指導室の扉をノックした。
顔を覗かせたのは、教頭先生で。
「玉森先生、ちょっと…。」
そのまま進路指導室を出て行った玉森先生は、なかなか帰って来なかった。
その間、私はずっと机の上に放置されていた問題集にとりかかる。
意外に集中できてる自分に驚いていた。
先生のことを考えないようにしようと思うと、バカみたいに集中できるんだ。
しばらくして戻ってきた先生は、
「長妻の担当の数学の先生がお休みしてるらしいから、ちょっと長妻に教えて来るわ。
1人で勉強できる?」
って、立ったまま私を冷たく見下ろした。
「…大丈夫。」
その言葉に返事もせずに、踵を返して部屋を出て行く先生。
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わかめ(プロフ) - ゆうめろさん» ありがとうございます(/ω\)ようやく戻って来れましたー。来年の春から受験生ですか!頑張ってくださいね!!私も先生の鬼合宿で卒論を仕上げたかったです…www (2017年12月30日 0時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうめろ(プロフ) - わかめさん!おかえりなさい!ツイッターで卒論提出したと拝見したのでもう少しかなとニヤニヤしながら期待してました笑来年の春からは私も受験生になるので先生との鬼合宿行きたいです笑笑これからも応援しています!更新頑張ってください! (2017年12月26日 20時) (レス) id: 9233dbcd5e (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 玲さん» ありがとうございます(T△T)実は卒論にかかりきりで、ようやく提出できたので、恐る恐る戻って参りました。また他の話もぼちぼち更新しますので、またよろしくお願いします♪♪ (2017年12月23日 23時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - しばらくお休みされていたので心配でした。更新待ってました!嬉しいです!他の作品も更新されていくのでしょうか。ショートケーキとフランボワーズが特に大好きなので楽しみにしています。 (2017年12月23日 23時) (レス) id: b7c4bcac2b (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 環季さん» 胸キュンとか、ありがとうございます(/ω\)書いてる方も現実逃避しながら書いてますwww (2017年8月4日 23時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2017年7月2日 2時