GATE １８

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「何でそう思うわけ？」

「だって怠そうだもん、いつも。」

顔や口調に出ちゃってるよ。

めんどくさいとか、怠いって感情が。

まさか、演じ切れてるとでも思ってた？







「まあ、当たってるかもね。
どうしても教師になりたかったわけじゃないし。」

「じゃあ、何で？」

「大学の時、教員免許は今後役に立つことがあるかもしれないからって取ってみたけど。
試しに受けた学校で内定決まっちゃって。」

「それだけ？」

「それだけ。
悪い？」

先生はまた机に突っ伏して、瞼を閉じてしまう。

「特にやりたいこともなかったし。
教師も悪くないかなー、的な？」

マジか…。

そんな感じで教師になれちゃうもんなの？








ここ１週間くらい、ほぼ１日中先生といるもんだから、先生はすっかり私に素の顔を見せてくるようになって。

相変わらず口は悪いし、怠そうだけど、よく笑うようになった。

「Aだって、人のこと言えねーだろ。」

って、勝手に私の名前も呼び捨てにしてくるようになったし。

「ほんとは毎日登校とか、嫌で仕方ないくせに。」

「うん、嫌。
でも、お母さんが喜ぶから。」

「何？マザコン？」

先生はそう言って笑うけど、ガチで当たってるから言い返す言葉もない。

今はお父さんの海外赴任で、離れて暮らしてるけど。

私にとってお母さんは聖母みたいなもんだから。

多分、先生には理解してもらえないと思うけど。








「なるほどね。
Aの弱点はお母さんか。
覚えとこうっと。」

先生はさっきまで笑ってたかと思いきや、すぐに表情を変えて、

「さっきから全然進んでねーじゃん。」

って、急に教師モードにチェンジしてくる。

「先生が邪魔するからじゃん。」

「その問題集、今日中にあと２０ページやらないと帰せないから。」

「２０ページは無理だって。」

「今日の進捗具合を教頭に報告しないといけないから。」

…って、やっぱり玉森先生のそういうとこが嫌だ。

さんざん無駄話させといて、自分のノルマを達成させないと帰さないとか。

ありえないって。

「今日、夕方からバイトなんだけど。」

「バイトとかやめたら？
受験すんなら、この夏が勝負だと思うけど。」

「夏休みはしっかり家で勉強するから。
バイトは続けたい。」

「あ、言ってなかったっけ？
A、夏休みはないから。
夏休みも毎日登校な？」

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