GATE １８

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「彼氏じゃないと助手席に乗っちゃだめなんですか？」

素直にそう聞いただけなのに、

「少しは警戒した方がいいよ。
俺が悪いヤツだったらどうすんの？」

とか、心配げに言われてしまう。

それなら車で行かなきゃいけないようなランチに、連れて行かなきゃいいのに。

そう思ったけど、言わなかった。

また笑われてしまいそうだから。









海の傍にあるレストランのオープンデッキで、何故か昼間からステーキを食べてる私達。

「何で昼間から肉なんですか？」

「だってAちゃん、１人暮らしなんだって？
自炊とかしてんの？」

「…してない。」

「まあ、１人だとなかなか作る気になれないよね。
俺もそうだし。
だから、たまにはこういうランチとか付き合ってよ。」

「それより、玉森先生の新情報って何ですか？」









「聞きたい？」

ってこの期に及んで、北山さんはもったいぶってくる。

「…聞きたいから来たんですけど。」

「実はさー、Aちゃんとごはんを食べた夜、玉から電話がかかってきたんだよね。」

「何て？」

「今日の夕飯、誰と食べたー？って。」

…バレてるじゃん！

てか、読まれてるじゃん、完全に。

「あの後、偶然会ったんだって？玉と。
Aちゃんに誰と飯食ったのか聞いても言わないから、ミツだろ？って。」

先生って、意外に鋭いんだね。

まさか、相手まで当てちゃうとは思わなかった。








「だから、俺も秘密って言っといた。
まあ、バレてるだろうけど。」

「先生、何か言ってた？」

「うちの生徒に変なことすんなとか、
どうせ俺の話してたんだろ？的なことは言われたけど。」

「余計なことは言うなよ、って言われなかった？」

「言われた言われた。
よくわかるね、Aちゃん。」

北山さんは笑ってるけど、私には先生の言いそうなことは大体予想がつくんだ。

絶対、北山さんに箝口令を敷くと思ったもん。








「玉から聞いた。
テストの結果次第で、玉の恋愛事情を小出しに教えてもらえるんだって？」

玉森先生、けっこうしゃべっちゃってんじゃん。

もう北山さんには、私達のこと筒抜けじゃない？

「北山さんは、玉森先生の恋愛事情とかいろいろ知ってるんですか？」

「過去の恋愛はね。
社会人になってからはあんまり。」

「先生、正直に話してくれるかなあ。
うまいこと誤魔化されそうで嫌なんだけど。」

「大丈夫じゃない？
自分から約束したんだから話すでしょ？」

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