GATE １８

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あれからも何度か留守電なしの着信とメールが、玉森先生から入ってたけど全てスルーした。

ドライな玉森先生のことだから、そのうち諦めるだろうと思ってたのに、

意外に先生はしつこかった。

今日もバイトの休み時間にスマホを見たら、先生からの着信とメールが届いてた。

『至急、連絡ください。 玉森』

っていう、超短文メール。

あーあ、いよいよ出席が少なすぎて、他の先生にドヤされて慌てて連絡してきたって感じ？

至急って、何に対して至急なのかよくわからないし。

今いち、臨場感が伝わってこないんだよね。

他人に言われて仕方なく連絡しました感が滲み出てる。







だけど、休憩を終えてオーダーを取りに行ったテーブルには、玉森先生が座ってた。

あれ…、バイト先バレてたっけ？

いや、玉森先生とは数回しか顔を合わせていないはずだから、きっと私の顔も覚えてないよね。

「ご注文お決まりですか？」

って、営業スマイルで声をかければ、

「これください。」

って、メニューを広げて指さしてくる。

いるよね、商品名を言わずに指さしてくる人。

別に嫌じゃないけど、わかりづらいから商品名言えよって思っちゃう。

「ハンバーグセットですね。
ごゆっくりどうぞ。」

そう言って下がろうとした瞬間、

「バイト先、ここなんだ？
偶然。
俺ん家、すぐ近くなんだけど。」

ドヤ顔の玉森先生に言われてしまう。

全然偶然じゃないくせに。

絶対、前の担任に聞いたんだよね？バイト先。

だって、前の担任には教えてたもん。

「ずっと連絡してたんだけど。
何で返事しないわけ？」

それでも私が黙ってたら、

「まあいいや、今日はバイト何時まで？」

って、涼しい顔で聞いてくる。

「９時までです。」

「じゃあ、ここで時間潰して待ってるから。
バイト終わったら、ここに来て。」

ほんとに緩い話し方。

気持ちがこもってないっていうか。

この先生に感情なんかあんのかなって思うくらい。









バイト終わりの時間が近づくにつれ、だんだん気持ちが重くなっていく。

あーあ…、説教とかされちゃうのかな。

あのやる気ない感じで？

熱すぎる先生も嫌だけど、業務的に嫌々言われるのもなんかね…。

それでも律儀にバイト終わりに、先生の席に行けば、

無言で向かいの席に座るように促される。

そして先生は、テーブルの上に書類を数枚広げてきた。

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