GATE １８

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バイトの休憩中、スマホを開いて溜息をつく。

うわ…。

また玉森先生から電話が来てる。

３年生になってから、連絡一つ寄越してこなかったくせに。

１学期の終わりになったら、急に週に何回も電話だのメールだのしてくるようになった。

またその電話のかけ方も、用があるなら留守番電話にメッセージでも残しておけばいいのに、絶対残してこない。

多分、コール数も少ないはず。

なんて言うの？

他の先生の手前、全然登校して来ない生徒に一応電話かけときましたよー、的な。

そんな感じ。

それが私の担任、玉森先生だ。









もちろん私はその電話に折り返しなんかしないまま、バイトに戻った。

私の通ってる単位制の通信高校は本当に快適で、始業時間は遅いし、好きな授業に通えばいいし、後は家で自学して単位を取ればいいわけで。

でも３年生になってから、急に学校が憂鬱に感じるようになり。

もう卒業できなくてもいいかなー、なんて思うようにもなってきた。

正直、自分が卒業できるのかもよくわからないし。

去年の担任は本当に熱くて、登校しない私に毎日のように電話をかけてきて、私が嫌でも登校しなくちゃいけないように仕向けてきたけど。

今度の担任の玉森先生は、いい意味でビジネスライク、悪い意味で無関心。

１学期なんか３日くらいしか登校してないけど、全く連絡もして来なかった。

前の担任が熱すぎただけに、落差が激しすぎて。

だから私はますます、学校から足が遠のいていってた。

仲のいい友達だっているけど。

でも、何故か面倒で仕方ない。

ファミレスのバイトも、とりあえず続けてるだけで。

正直私は、やりたいことが見つからないから、ただ何となく毎日を生きてるだけ。

だからやる気なさそうな玉森先生のことを、私は本当は責められない。








バイト終わりの帰り道、今度はメールが届く。

『来週、進路の面談をしたいので登校してください 玉森』

っていう、要点だけを伝えた超事務的なメール。

学校専用のメルアドだってあるのに、わざわざ携帯にまで連絡して来なくてよくない？

進路だって。

卒業すらできるかわかんないっていうのに。

進路なんて考えてるわけないじゃん。

今だって学校に行きたくないのに、これ以上学校に通いたいわけないし。

だけど思いのほか、玉森先生はしつこかった。

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