ショコラアレルギー chapter10

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土曜日の午前中から、みんなが集まり始める。

森本先輩や研究所の人達、静と繭ちゃん、澪ちゃんと凜ちゃんまで、東京から遊びに来てくれた。

ベビーシャワーっていうのは、赤ちゃんへのプレゼントを生まれる前に渡して、妊婦さんの安産を祈るパーティーみたいなものなんだって。

東京組は夜行バスで朝早くに来てくれて、部屋の装飾を手伝ってくれたんだけど、

テーブルの真ん中にどーんと置かれた、おむつで作られたケーキに私も渉も驚いてしまった。

「ダイパーケーキっていうんだけど、ベビーシャワーには絶対必要だから。」

って、あんまり繭ちゃんが力説するから、多分このベビーシャワーの発案者はきっと繭ちゃんのはず。








渉は朝からずっと料理を作ってるし、

「Aは何もしなくていい」って、みんながうるさいから、部屋の隅でそんな慌ただしいみんなの様子を眺めているだけ。

「それにしても、いいお家だね、ここ」

部屋の飾り付けをしながら、澪ちゃんが話しかけてくる。

「庭は広いし、縁側もあるし。
それにかなり広くない？」

「うん、私も気に入ってる。」

私も最近気付いたんだよ。

この家がどんなに素晴らしいかってことに。

もうすぐ冬が来て、この辺りは雪がよく降るんだけど。

この家で冬を過ごすのも、悪くないかもしれない。

年が開ける頃には、家族も一人増えてることだし。









お昼過ぎから、続々と人が集まり始め、

驚いたことに、玉森先輩や宮田先輩までも、わざわざ遠くから来てくれた。

みんなで食事を楽しんだ後は、みんなからお腹の赤ちゃんに大量のプレゼントをいただいた。

研究所のみんなからは、マニアックな絵本とおむつを大量に箱単位で。

宮田先輩と澪ちゃんからは、真っ白なベビードレス。

玉森先輩と凜ちゃん達は、赤ちゃん用の食器とおもちゃの詰め合わせ。

静とゼミのみんなから、ベビー服を幾つか。

森本先輩と繭ちゃんからも、やっぱりベビー服だったんだけど…。

何でこの２人が共同で？

そうしたら静がこっそり耳打ちしてくれた。

「あの２人、付き合い始めたらしいよ。」

…マジで！？

いや、でもお似合いだとは思ってたよ。

前に森本先輩が書いた論文が素晴らしかったって、べた誉めしてたし。

ほら、繭ちゃんの場合、尊敬＝好き、っていうパターンだから。

私がぼんやりしている間に、みんなは着々に前に進んでるんだね。

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