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そのまま私達は新幹線で、新しい家へ向かう。

「あっちに着いたらお掃除とかするの?」

「一応、昨日ハウスクリーニングとかしてくれてるみたいだから、簡単に?」

先生はあくびをひとつ噛み殺して、腕を組んでもう寝る姿勢に入ってしまう。

「寝ちゃうの!?」

「寝るよ。
昨日あんま寝てないし。」

昨日の夜、引っ越し作業が忙しすぎて全然聞けてなかったんだけど、飲み会での先生の言動について、いろいろ問い質し(ただ)たかったのに、

先生はすぐに寝ちゃうから、私もつられて寝ちゃったけど。







新幹線を降りたら、そこから電車で1時間。

更に最寄り駅から徒歩25分で、ようやく私達の新居が見えてくる。

引越しのトラックは明日の朝に到着するから、

とりあえず荷物を置いて2人で出かけたのは、ホームセンター。

日用品や掃除用品を買って、部屋に戻って気付く。

「先生、今晩どこで寝るの?」

「どこって…。」

すっかり忘れてたよ、お布団を買うの。

っていうか…、お布団なの?やっぱ。

先生は深いため息をついて、

「この間のホテル、空いてるかどうか聞いてみる。」

って、電話をかけ始めた。








不動産屋さんに指示していたお陰で、各部屋の襖は取り外され、大きなワンルーム状態になっていた。

ハウスクリーニングで家はかなり綺麗になっているものの、先生はシンクから床、バスルームやトイレまで綺麗に磨き上げていく。

畳は引っ越し前に全て新しいものに変えられてるから、気持ちよくてそのまま寝転がってたら、

「飯でも行くか。」

って、先生が真上から私の顔を覗き込んでくる。

「先生も寝転びなよ。
気持ちいいよ。」

なのに、

「…嫌だ。」

って、すぐに拒否されてしまう。

「何で?」

「そういうのは引っ越しの荷物が全部片付いてからしたいから。」

相変わらずの塩対応。

とりあえず掃除は大体終わって、ビジネスホテルへ移動する。








いつの間にか外は雨になっていて、家を出た途端に先生は深いため息をひとつ。

「…そういえば、傘とか持って来てなかったわ。」

「あるよ、傘。
折り畳みだけど。」

鞄に忍ばせていた折り畳み傘を渡せば、

「珍しく気が利くじゃん。」

だって。

小さな折り畳み傘に2人で入ると、どうしても片方の肩が濡れてしまう。

先生は私の方にばかり傘を持ってくるから、半分以上濡れちゃってるし。








「ねえ、新しい家ではどうやって寝るの?」

「どうやってって?」

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yanchahime3014(プロフ) - こんばんは。さっき、バニラドロップ読んでニヤニヤしてショコラ読んでキュンキュンしとります!!これからの展開も楽しみにしてます(*^-^*) (2017年7月8日 0時) (レス) id: 497c53e7cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2017年2月25日 2時

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