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あれから先生は夜遅くまでパソコンでいろいろ下調べをして、
「いろいろ回りたいから車の方がいいんじゃない？」
とかって、レンタカーまで借りちゃう始末。
朝早くから車で出かけた私達は、９時過ぎには大津の港に着いていた。
「向こうが見えないね。」
海みたいな琵琶湖の大きさに、幼稚な感想しか出ない私の横で、先生は平安時代にどれだけ琵琶湖が重宝されたかをいろいろ教えてくれるけど、
先生が琵琶湖に来たかった理由ってそういう感じ？
遊覧船に乗ったら、真っ先に２人で屋上のデッキに出た。
真冬の午前中だから、デッキにはほとんど人がいなくて貸切状態。
調子に乗った私は、先生にいろいろ仕掛けてみる。
横顔にキスしてみたり、貝殻繋ぎに手を繋いでみたり。
でも先生は、ほぼ無反応。
たぶん、脳内では歴史のこととかに関連付けて、きっと小難しいこととか考えてるんだよね、先生は。
暖かいコーヒーを買って室内に戻ったら、先生は急にこんなことを言い出す。
「引っ越しさー…。
来週にしない？」
引っ越し！？
まさか引っ越しのことを考えてたの！？
「本気？」
「即入居可だし。
引っ越しは３月になってからでもいいかなとか思ってたけど。
こっちの生活に早く慣れた方がいいしね。」
「来週は早すぎない？
確かゼミの送別会が入ってたんじゃなかったっけ？」
ここ最近の先生は、大学や友達の送別会ラッシュでほとんど夜には部屋にいなかったし。
ゼミだけじゃなくて、来週は他の送別会も入ってたはず。
「ゼミの送別会は来週の頭だから大丈夫。
それが終わったら、もう引っ越そう。」
って、先生は頑な。
もう決めちゃってるんでしょ？勝手に。
まだ２月の前半だよ？
まさかこんな早くに引っ越しちゃうなんて、思ってもみなかった。
次に先生が連れて来てくれたのは彦根城で。
また彦根城についての解説を延々聞かされた後、
「憂鬱？」
なんていきなり聞いてくる。
「何が？」
「来週の引っ越し。」
「そうじゃないけど…。」
「来週から３月いっぱいまで、フリーなんだけど、俺。」
フリー？
意味がわからなくて黙ってると、
「何も予定がないってこと。
論文も書かなくていいし、仕事もない。」
って、先生は私の頭に手のひらを乗せた。
「Aと１カ月半、あの家でまったり過ごせるってことなんだけど。」
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yanchahime3014(プロフ) - こんばんは。さっき、バニラドロップ読んでニヤニヤしてショコラ読んでキュンキュンしとります！！これからの展開も楽しみにしてます(*^-^*) (2017年7月8日 0時) (
レス) id: 497c53e7cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2017年2月25日 2時
