ショコラアレルギー chapter８ (ページ26)

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やっぱり、酔った時の私はおかしい。

変に積極的になるし、自分から攻めたくなるし、

今だってほら、自分から先生の服に手をかけてる。

「Aはやっぱり飲まない方がいいんじゃない？」

って、先生が心配そうな声を出すくらい。

でも、酔う感覚っていいな。

ふわふわして気持ちよくて、いつも出来ないようなことでも出来てしまうような気になる。

だけど、先生の方がその気になってきたことに満足した私は、

服を脱がされた時点でもう…、記憶が無い。

ふわふわ気持ちいいのと、先生が私を欲しがってくれたことに満足したから、あとはもう一気に眠くなってしまって、そのまま…。

翌朝目覚めたら、私はきっちり部屋着を着てたし、先生も服を着てたから。

昨日のことは、私の妄想から来た夢だったのかなー、なんて呑気に考えてたら。

朝食の途中に、先生からチクリと言われてしまう。

「昨日はえらい目に遭ったわ。」

「何かあったの？」

てっきり自分のことだなんて思ってない私は、素直にそう聞き返しただけなのに。

「覚えてないわけ？」

って、本格的に呆れられてしまった。

「さんざん俺のこと誘っといて、その気になった途端に寝るとか。」

やば…！！

あれは夢じゃなかったんだ！

「寝てるのをそのまま襲ってやろうかと思ったわ。」

先生は本当に呆れてる風で、ため息をついてくる。

「寝ててもしちゃえばよかったのに。」

「寝てる相手に手を出すとか、ありえないから。」

先生は仏頂面で、その後は黙々とごはんを食べているだけ。

やっぱり怒ってる？

それとも呆れてる？

食べ終わった後、並んで洗い物をしてる途中、

「もうAには絶対飲ませないから。」

って、低い声で呟かれたから、かなりきっと多分いや絶対、先生は怒ってるよね…。

その言葉通り、先生は本当にアルコールは飲ませてくれなくなった。

というより、先生も飲まなくなった。

元々そんなに飲む人じゃないけど、週末はよく飲んでたのに。

一緒にスーパーに買い物に行って、

「ビールは買わなくていいの？」

って聞いても、一瞥されてスルーされるし。

「…禁酒することにしたから。」

ってようやく打ち明けてくれたのは、試験を控えた週末の夜のこと。

「何で禁酒？
何か願掛けでもしてるの？」

そう聞いたら、呆れた目をして先生は私を見返した。