ショコラアレルギー chapter８ (ページ25)

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「可愛かった？」

「…まあね。」

「それとも、綺麗だった？」

「そうなんじゃない？」

ほんと、素直じゃないよね。

正直に言えばいいのに、可愛くて綺麗だったって。

…内心、似合ってないって思ってたかもしれないけどさ。

「でもまあ、無事成人式が終わってホッとしてる。」

「何で先生がホッとするわけ？」

「Aの人生の大事な行事だし、そういうのはちゃんとしてやりたいから。
まあ、俺は送迎をしただけなんだけど。」

「…でも、先生が送迎してくれてうれしかったよ。」

先生の肩先に頬をぴったりくっつければ、いつもならその体温で眠くなるはずなのに、

今日はなんだか違った。

やたらドキドキするし、何かされたくて仕方なくなってきた。

「先生がいなかったら、成人式とか行ってなかったかも。」

「何で？」

先生の声が、少しずつ柔らかくなってきたのを感じて、私は１人満足する。

「だって１人で成人式に行って、１人で帰ってくるとか、寂しすぎない？」

「そんなもん？」

「当たり前じゃん。
先生がいてよかったなー、って思ったよ。
それに…。」

「それに？」

「先生のこと、みんなに自慢できたしね。」

「自慢って。」

先生は呆れてるみたいだけど、本当だから。

ずっと誰かに自慢したかったんだよ、先生のこと。

私の旦那さん、カッコいいでしょ？って。

「まあ、俺はさんざん Aのこと、自慢してきたけどね。」

「そうだっけ？」

「結婚の挨拶に連れて回ったり、研究所の人たちにも紹介したじゃん。」

「あれって、自慢だったの？」

「そりゃそうだろ。
密かに自慢してたけどね。
うちの奥さん、可愛いだろ？って。」

ほら、もう完全に先生の声は甘くなってる。

こうなったらもう、後は一押しのはず。

「今日はこのまま寝たくないな。」

甘えた口調でそう言えば、

「明日は学校だから無理。」

って、あっさりと却下されてしまった。

「先生が飲ませたくせに。」

言い返そうとしてくる唇を、私から塞いであげれば、先生の体は徐々に体温を上げていく。

ほら、もう無理じゃん。

先生だってその気になってるくせに。

今夜は、このまま寝ちゃうなんて無理だよ。

先生から手が出せないのなら、私から出してあげる。

先生の服の中に背中から指を侵入させれば、

諦めたように先生はゆっくりと私を押し倒した。

やっぱり、今日も私の勝ちだよね？