ショコラアレルギー chapter８ (ページ15)

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「あと、先生は浮気とかしないって信じてるけど。
そういうのも気になる。」

「…それから？」

先生はようやく私の言葉に反応してくれたけど、面白がってる感じでせっついてくる。

「あと、先生が私のいない生活に慣れて、そっちの方が楽とか思うようになったら嫌だ。」

「あー…、それはあるかもね。」

「やっぱり先生だってそう思ってたんじゃん。」

「だから、俺がそんな生活に慣れないように、毎週会うようにすればいいんじゃない？」

「そんな簡単なことかな。
先生が１人の生活に慣れちゃって、１年後に私がそっちで暮らすことになった時に、私のことが鬱陶しくなるんじゃないかとか思ったりするよ？」

そんな私の今まで言えなかった悩みですら、先生は可笑しいみたいで。

緩く笑いながら、私の腰を引き寄せてくる。

「そんなこと気にせずに、早く寝ろ。
明日の朝は、二日酔いで頭が痛くなるかもしれないから。」

「ねえ、先生。
去年の今日って、何してたか覚えてる？」

「去年の今日…？」

「そう、去年のクリスマスだよ。」

先生は少しの間考えてたみたいだけど、すぐに思い出したみたいで軽く笑われた。

「あー…、俺が初めてAに手を出した日？」

「覚えてんじゃん。」

「覚えてるよ。
そっか、あの日ってクリスマスだったっけ。
なんかこの１年、すげー長かったから、かなり昔のことのように思える。」

ほんと、この１年間は長かったよね。

去年の私は、先生と同じマンションに住めることになっただけで有頂天だったし。

まさか数か月後には結婚してたなんて、予想もしてなかったと思うよ。

「Aが酔ってなきゃ、今日だって手を出してたと思うけど。」

「…酔ってない。」

「酔ってんじゃん。
Aの体、熱いし。」

「もう酔いなんかとっくに醒めた。」

自分から先生に深く抱きつけば、

先生は抱き返してはくれるけど、それ以上は何もして来ない。

「今、Aを揺さぶったら、余計に悪酔いすると思うけど。」

「いい。
もう、酔ってないから。」

嘘。

ほんとはまだ頭がぼーっとしてるし、体がふわふわして変な感じは続いてるんだけど。

今日はなんか…、このまま寝たくない日なんだ。

ようやくキスしてくれた後、先生は、

「…俺は１回、止めたからね。」

なんて念押ししながら、私の服のボタンに手をかけてくる。

…先生だってほんとは、したかったくせに。