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びっくりして顔を上げると、不機嫌そうな玉森先輩が立っていた。

「お前…、何やってんの?」

でも、私の顔を見て、

「え?泣いてんの?」

って、驚いてる。

「コンビニで充電器買わないと。」

「え?何?充電器?。」

「携帯の…充電切れた。」

「だからか。
さっきからずっと、LINE送ってたのに。」

「充電器を買いに行かないと。」

「落ち着けって。
誰に連絡すんの?
携帯貸してやるって。」

玉森先輩に両手首を掴まれて、少しだけ冷静になる。

「家に帰ったら、鍵がないから…。
先輩に知らないか連絡しようと思って。」

両手首が離されて、先輩がポケットから鍵を出す。

「これ?」

「…やっぱり、先輩が持ってたんだ。」

力が抜けて、そのまま私はその場に座り込んでしまった。





「ごめん、うっかりしてたわ。
いつもの癖で、ポケットに入れちゃってた。
それと携帯の充電だけど、昨日Aが充電してたのを抜いて、俺が充電しちゃってたわ。」

先輩はもう一度、私の両手首を掴んで、立ち上がらせてくれる。

「寒いから、帰ろ。」

安心したからか、涙が止まらない。

「泣くなって。
俺が泣かしてるみたいじゃん。」

「…先輩が悪いんじゃん。」

「ごめんって。」

「家に入れないかと思った。」

「お前も自分家の鍵くらい、ちゃんと管理しとけよ。」

「私の充電中の携帯、抜いたくせに。」

「…それは、ごめん。」






マンションに着くと、先輩は勝手に鍵を使ってオートロックを開けて、すっかり手慣れた様子でエレベーター待ち。

私は泣き疲れて、もうクタクタ。

私の部屋の前で、勝手に鍵を開けて入っちゃうし。

先輩はコタツの電源を入れると、定位置についてる。

「ほら、携帯よこせ。
充電してやるよ。」

って言うから、携帯渡すけど。

あれ?

何で先輩は、またここにいるんだろ?

でもいいや、とにかく眠い。

「先輩、ちょっと寝ていい?
いろいろあって疲れた…。」

「いいよ。
俺もちょっと寝るわ。」

って、クッションを枕に寝転がってる。

私はベッドに潜り込み、すぐに寝入ってしまった。






目覚めたら夕方で、もう部屋は薄暗くなっていて。

玉森先輩はもう帰ったかなって、キョロキョロしてみると、こたつの定位置で寝てた。

起こそうか迷ってたら、先輩が目を覚ます。

「…あれ?起きた?」

目を擦りながらダルそうに体を起こして、こたつテーブルに突っ伏しては、

「お腹すいた。」

って、また上目づかいで私を見てくる。

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りた(プロフ) - 奈美恵さん» コメントありがとうございます(*'ω'*)いつも移動中とかにまとめて書いてるので、すこぶる元気です(*'ω'*)またよろしかったら読んでやってください(*'ω'*) (2015年10月27日 9時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - にこさん» 貴重なご意見ありがとうございます。今はまだ、もうしばらく様子を見てくださいとしか言えませんが、またよろしくかったら読んでやってくださいね(*'ω'*) (2015年10月27日 9時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
奈美恵 - りたさんの小説が大好きです^_^いつも更新楽しみにしてます(≧∇≦)お体を大切に無理をしない程度で頑張ってください( ̄▽ ̄)応援してます!! (2015年10月26日 23時) (レス) id: 3060edf861 (このIDを非表示/違反報告)
にこ - 他のリンクしている玉森さんの言動と本編があまりにも違うので戸惑っています。これから解明されてくるのでしょうか?主人公ちゃんに共鳴してるので。 玉さんはあまりにも奔放で罪です。 (2015年10月26日 23時) (レス) id: d2f5284ef0 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - にこさん» どうやら幻聴だったようです(/ω\)本当に申し訳ごさいません(/ω\) (2015年10月26日 22時) (レス) id: 421e8ef0d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2015年10月2日 12時

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