ストロベリー・オン・ザ・ショートケーキ chapter 2

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誕生日の当日。

[サーフィン行ってくるねー。]

って、ＬＩＮＥが入る。

[今日は私の誕生日だよー！]

そう、送りたかったけど、送れないよね…。

[いってらっしゃーい♪]

当たり障りのないことを書いて送る。

そもそも私は、先輩と一緒に誕生日を過ごしたかったのかな。

なんだか、どんどん、先輩との距離が離れて行くような気がしてた。

多分、私の気持ちが、急速に減退してるんだと思う。






今日は朝から夕方までバイト。

お昼休憩で、山田くんと一緒になったけど、お互い無言だし。

なのに、しばらくしたら、

「…お誕生日おめでとう。」

って、いきなり言ってくるから、びっくりして顔を上げる。

「ありがとう。」

「誕生日なのにバイト？」

いきなりそれ聞く？

一番聞かれたくないことなのに。

「玉森先輩は？」

「…サーフィンに行ってる。」

「え？付き合ってんだよね？」

「…うん。」

「彼女の誕生日なのに？」

…そうだよね、信じられないよね。

「でも、先輩、私の誕生日知らないから。」

「普通聞かない？
彼女の誕生日とか。」

「そういうの、興味ないみたい。」

「それなら、自分から言えば？」

「私も誕生日とか、イベント、そんなに興味ないし。」

なんかほんとに、最近そんな気がしてきたんだよね。

誕生日とかイベントとか、どうでもいいやー、って思うようになってきた。

先輩の価値観に合わせようとすると、私の感情にいっぱい蓋をしなくちゃいけなくて、

何も考えないようにしてるから。






バイトが終わってもすることないし。

家にはなんとなく、帰りたくないし。

１人で映画を見に行くことにした。

ポップコーン買って、楽しい映画だったからたくさん笑ったら、なんかすっきりして家に帰った。






マンションの前に着いたら、部屋の明かりがついてて、先輩が来てるのがわかった。

前にサーフィンに行った帰りに、海の近くの店のバームクーヘンを買ってきてくれたから、今日も買ってきてくれたかなー、って部屋に入る。

「ただいまー。」

って言っても、返事してくれないし。

ベッドの上に座ってるけど、なんか怒ってる？

「携帯に何度も連絡したのに。」

って言われて、携帯を探すけど。

「…ベッドの上に転がってた。」

と、携帯を渡されて、見ると、先輩からの不在着信と大量のLINEが入ってて。

「今日、Aの誕生日って、全然知らなかった。
何で言ってくれないわけ？」

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