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…山田くん!?

何やってくれてんの?

いきなりそんなこと、先輩に聞くなんて!

そんな子だったっけ?山田くんって。

「山田くんって、Aのバイト仲間じゃん?
店で見たことあるし。
Aが気になってるヤツって、こいつだな、って思ってたから。」

気になってる彼が山田くんだってこと、先輩は気づいてたんだ。






「だから、俺。
付き合ってる、って答えたんだけど。」

驚いて言葉が出ないって、このことだ。

「…なんで、そんなこと言ったの?」

自分でも、声が震えてるのがわかる。

「あいつ、気に入らねーし。」

「だからって、嘘つかなくていいじゃん!」





先輩は、冷蔵庫に特別なチョコを戻す。

「とにかく、あいつはダメ。」

「…別にいいもん、玉森先輩に認めてもらわなくったって。」

「Aの恋路は、俺、全力で邪魔するから。」

って、普通に笑ってる先輩。

サイアクだ…。

「何でそんなことするの?」

「Aには幸せになって欲しいから。」

「自分が幸せかどうかなんて、私が決めるよ。」

「多分、この先もずっと邪魔するよ、Aが好きになりそうな男が出てきたら。」

「先輩のやってること、意味わかんない!」






「Aが、俺のこと好きになってくれるまで、ずっと邪魔し続ける。」

先輩の言葉に、驚いて顔を上げる。

珍しく真剣な顔をした先輩が、真っ直ぐに私を見ていた。

「だから、Aは俺の事好きになるまで、幸せにはなれないよ。」

言葉が出ない。

それって、どういう意味?

また、からかわれてる?







「…なんとか言えよ。」

って、言われるけど、

なんて言ったらいいか、全然わかんない。

とにかく、警戒してる。

うっかり心を許して、「今の冗談」とか言われちゃうんじゃないかと。

「…A。」

先輩が、一歩、近寄ってくる。

背後には壁があって、逃げ場がない。







「好きだって、言ってんだけど。」

先輩がまた一歩、近寄って来る。

なんだろう、この緊張感と、圧迫感。

多分、私は…。

もう逃げられないんだろうな、と思った。

今まで、この関係を明らかにするのが怖くて、ずっと、有耶無耶にしてたけど。

今日、この関係に名前が付けられるんだ。







諦めて、壁を背にして俯く。

だけど、顎をくいって持たれて、上を向かされる。

「さっきから何もしゃべんないじゃん。」

先輩は余裕そうだな、こういうの。

きっと慣れてんだろうな…。

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りた(プロフ) - 奈美恵さん» コメントありがとうございます(*'ω'*)いつも移動中とかにまとめて書いてるので、すこぶる元気です(*'ω'*)またよろしかったら読んでやってください(*'ω'*) (2015年10月27日 9時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - にこさん» 貴重なご意見ありがとうございます。今はまだ、もうしばらく様子を見てくださいとしか言えませんが、またよろしくかったら読んでやってくださいね(*'ω'*) (2015年10月27日 9時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
奈美恵 - りたさんの小説が大好きです^_^いつも更新楽しみにしてます(≧∇≦)お体を大切に無理をしない程度で頑張ってください( ̄▽ ̄)応援してます!! (2015年10月26日 23時) (レス) id: 3060edf861 (このIDを非表示/違反報告)
にこ - 他のリンクしている玉森さんの言動と本編があまりにも違うので戸惑っています。これから解明されてくるのでしょうか?主人公ちゃんに共鳴してるので。 玉さんはあまりにも奔放で罪です。 (2015年10月26日 23時) (レス) id: d2f5284ef0 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - にこさん» どうやら幻聴だったようです(/ω\)本当に申し訳ごさいません(/ω\) (2015年10月26日 22時) (レス) id: 421e8ef0d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2015年10月2日 12時

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