ストロベリー・オン・ザ・ショートケーキ chapter 2

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先輩は起き上がると、ベッドの端に座った。

私の手首を握ったまま。

「ちょっと、ここに座って。」

って、無理矢理隣に座らせる。

「…昨日、家に帰って、寝てたんだけど。」

…って、何の話？

いきなり、先輩が話し始める。

「なんか眠れなくて。
いろいろ考えてたら。」

「そしたら、Aの部屋に来てた。」





「昨日、なんでAは俺にチョコくれなかったの？」

っていきなり言われて、

「えっ！？」

びっくりして、声を出してしまう。

「宮田とかがさー、なんかチョコのケーキみたいなの食ってて、
聞いたらAからもらったって言ってて。
俺だけもらってない、って言ったら、宮田が、
「玉、甘いの嫌いって言ってたから遠慮したんじゃない？」
って言ってて。」





「つか、それ。
なんで俺だけくれないわけ？」

って、不機嫌そうな顔。

「だって、先輩、甘いの嫌いなんでしょ？」

「でも、俺だけもらえないのなんて、嫌じゃん。」

「だって、先輩遅れてきたじゃん。
チョコ、会議の前に渡してたし。」

そこからしばらく無言が続いて。




「俺の分は？」

って拗ねたように聞いてくる。

「…食べちゃった。」

「は？」

「昨日の、晩ご飯がわりに、食べちゃった。」

隣の先輩の顔を窺うと、憮然とした顔をして、黙ってる。




「チョコあるよ？
冷蔵庫の中に。」

冷蔵庫の前まで行くと、先輩もついてきてるし。

冷蔵庫を開けると、並んでるGODIVAのチョコと、私が作った特別なチョコの箱。

GODIVAを取り出そうとする手を、先輩に止められる。

特別なチョコの箱を手に取り、勝手に開けるから、

「…ちょっと、先輩。開けないで。」

って止めたら、

「何これ？
昨日、宮田が食べてたやつと一緒じゃん。
他のチョコもついてるし。
もしかして、これって…。」

ヤバい…。

確かにこれは、玉森先輩のために作ったものだけど。

今は、玉森先輩のものだって、気付かれるのが怖かった。






なのに先輩は、

「これって、もしかして山田くん用？」

って言ってくる。

「…何で、山田くんのこと知ってんの？」

「だって会ったし。」

「いつ？」

「お前が合コン行った後くらいかな、学食で会ったから。
つか、あっちから声かけてきたし。」

「…なんて？」

「Aと付き合ってんのか？って。」

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