ストロベリー・オン・ザ・ショートケーキ chapter 2

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「最近さー、Aの部屋、よく行ってるじゃん？
なんか、すげー落ち着くんだよね。
こたつのせいかな、って思ったけど、そうでもなさそうだし。
あれって、何で？」

って聞かれるけど、私が思い浮かぶのはただ１つ。

「…生活感、ですかね？」

「それだけ？」

「それしかないかなー。」





「なんか飲む？」

って先輩がキッチンに歩いて行くから、ついて行く。

「見てもいい？」

「いいけど、なんもないよー。」

冷蔵庫があるだけで、家電らしきものは何もない。

「炊飯器は？」

「ない。」

「電子レンジは？」

先輩は黙って、キッチンの隣にある作り付けの戸棚を開けると、中に電子レンジが入ってた。

「先輩、ほんとに料理しないんだね。」

「ラーメンとかは普通に作るけど。
ちゃんとしたの作ったのって、お前に作った雑炊が初めてかもー。」

「ほんとに？」

「うまかった？」

「うん、おいしかったよ。」






コーヒーを淹れてくれた先輩は、またソファーにどかっと座って、

「あーあ、ほんとに熱が出ればよかったのに。」

とか言いだす。

「不謹慎だよ、先輩。」

「だって、あんなにAを看病してやったのにさー。
俺もされたいじゃん。」

って、口をとがらせる。

「見返り求めるんだ？」

「当然じゃん。
俺、あんなに看病したの初めてだし。」

…なんか、ヤバイな。

なんか、先輩、めっちゃ甘えてきてるし。

…対応に困る。

「先輩が熱出したら、看病したがる女子がいっぱいいますよ。」

これが、私の精一杯の返答。

「俺は、Aに看病してほしいって言ってんのに。」

…もうこれ以上言わないで(/ω＼)

もう、話をはぐらかす回答、思いつかないよ。

さんざん悩んだ挙句、出た言葉が…

「そう…ですか。」

って、思いっきり挙動不審な回答。





「何？恥ずかしいんだ？」

って、からかうように言われる。

あー…、バレちゃった。

この挙動不審ぶり。

ヤバイ、これ以上この部屋にいたら、先輩へのよからぬ心…、いや恋心がバレちゃう。

「あ、もう２時回ったし、帰りますね。」

って、立ち上がる。

めっちゃ、不自然だな、っていうのは、自分でもよくわかってるんだけど。

「泊まればいーじゃん。」

先輩は、いつもそういうこと普通に言うよね。

でも、私はそういう人間じゃないから。

付き合ってもない人の部屋に、泊まれないよ。

友達ならまだしも。

先輩は友達だと思ってるかもしれないけど、

私は先輩のこと、好きだもん。

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