ストロベリー・オン・ザ・ショートケーキ chapter 2

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「楽しかったのに、二次会も行かずに帰るんだー。」

なんて言われて、思わず辺りをキョロキョロ見てみるけど、誰もいない。

とりあえず、電話しながら、部屋に戻る。

「合コンの雰囲気楽しめてよかったです。
先輩も合コンって行ったことある？」

「あるよ。
何回か行った。」

「お持ち帰りとかするの？」

「は？するわけないじゃん。」






「…合コンとか行く女の子って、やっぱ男子は嫌いだよね。」

って、つい。

今日の山田くんのことを思い出して、言ってしまった。

「なに？いきなり。」

「軽蔑されたから。」

「…例の恋に堕ちそうな彼？」

「そう。
でも、すごい心配してくれた。」

「ふーん…。」

しばらくの沈黙の後、

「じゃあ、もう俺寝るし。」

って、そっけなく電話を切られた。

そっけない玉森先輩のことより、今日は、山田くんのことばっか考えちゃう。

私のこと、好きなのかな？

それより、私は、彼のこと好きなのかな。

玉森先輩みたいに、起伏の激しい片思いとか、

村木くんみたいに幸せだったのに、いきなり別れを告げられたりだとか。

そういうのじゃない、恋愛がしたいけど。

なんか、臆病になってる自分がいる。





すぐに学校が始まって、いつも通りの生活。

だけど、バイトで山田くんと会っても、あの一件以来、何も進展なしっていうか…。

むしろ、避けられてんじゃないか、って思うくらい。

だって、LINEが来なくなった。

こっちからLINEすればいいんだろうけど、消極的な私は、そんなこともできず。

目もあまり合わなくなった。

バイト中のカウンターでの距離も、いつもより遠く感じた。

やっぱ、合コン行くような女子は軽蔑されちゃうのかな。






その日も、仕事以外の会話も全くない状態で山田くんとバイトして、帰宅中。

山田くんにLINEしてみようかな、って思ってLINE画面を開く。

でも、やっぱ勇気が出ない。

なんて書いていいかわからないから。

LINE画面を広げたまま、欝々とした気分で帰宅。

なのに、いつもの定位置に座ってる玉森先輩がいて。

しかも、鍋作ってるし！

私のいない時に勝手に入るなんて！

…って、怒るところなんだろうけど、なんか凹んでるから、そんな気力も出ない。







「おかえりー。」

って、普通に言われるから、

「…ただいまー。」

って、普通に返す。

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